ランドセル製造でトップシェアを誇る、株式会社セイバン。その歴史は約100年前、兵庫県播磨産の皮革を使った財布やカバンの製造で創業した泉亀吉商店にまでさかのぼり、1946年からランドセル製造を開始、専門メーカーとして成長を続けてきた。2003年に誕生した、ランドセルを背負うときに軽く感じさせる「天使のはね」は広く認知されており、専業ならではの技術やこだわりが高く評価されている。
今回はセイバン全体のマーケティングを手がけるマーケティング部でWebやメールでのコミュニケーションを担当する松本様に、メール配信システム「Cuenote FC」導入の決め手やその効果、運用のポイントなどについて伺った。
ランドセルはおひとりのお子さまのために一生に一度しか買わない商品で、買う時期や検討のサイクルが年々早まっています。今年度(2018年度4月入学のお子さま)の場合、ランドセル購入のための資料請求受付が2017年1月に始まり、4月に店頭が新年度向けに切り替わり、7,8月が購入のピークとなっています。そのため、ご検討いただいている方に対し、良いタイミングでステップメールを送るなどの仕掛けをしたいと考えておりました。
またお客様もとても熱心にランドセルについて情報収集される方が多く、情報収集開始の時期もますます早期化する傾向にあるため、情報を積極的に発信しなければフォロー不足になると考えています。そのため、メールマガジンでのコミュニケーション内容は、単に販売促進や来店誘致だけではなく、ランドセル選びのポイントや小学校入学に関するコラムを発信するなど、コンテンツ充実を図っています。
「Cuenote FC」の前に使っていたシステムでは、システムの中でのデータ演算などがほぼ不可能で、セグメントや条件による配信コントロール等の機能が充実していなかったので、柔軟な施策を打つことができずにいました。また、セキュリティ面も強化したいと考えていました。さらにレポート機能などもなく、たとえばメールの開封率も見られていなかったので、PDCAサイクルを回すのも一苦労でした。
ランドセルの場合、買っていただくチャンスはお子さまの入学前の1年間しかなく、検討される方も、来年お子さまが新1年生になられる方と決まっています。そのため、ランドセル購入のための見込み客リストも毎年入れ替わります。年度をまたいだ見込み客リストの蓄積ができないため、配信対象を拡大することでの予算の拡大も難しいという事情があります。
その制約の範囲内で、求めている基本的な機能がなるべく豊富にそろっているシステムという観点で「Cuenote FC」を選びました。当社の運用上のニーズやセキュリティ上の課題ははっきりしていたので、いくつかのシステムについてWebで情報収集しながら検討し、最終的には3社に絞って比較しました。それぞれから直接ご説明や見積をいただいたうえで3社の比較表を作り、「Cuenote FC」が良さそうだという仮判断を出して、システム側とも調整の上、決定しました。検討期間は全部で2、3カ月くらいだったと思います。大阪に営業所があるというのもやはり心強いところでした。
機能面では、配信したメールが「迷惑メール」になりにくい対策をとっておられることは当然としまして、メールアドレス取り込みのシステム連携が可能で、セキュリティ面の課題が解決可能なこと、アンケートシステムとデータを連動させられること、そしてもちろん多様なセグメントが可能であることなどを評価しました。
まずお客様の購入サイクルに合わせたステップメールが可能になり、手をかけずに密なコミュニケーションができるようになったことを大変ありがたく思っています。
また以前のツールでは開封率やセッション時間確認のためにCSVダウンロードやそこからのグラフ化が必要になるなど、多大な工数がかかっていました。その点「Cuenote FC」では手をかけずともそのままレポートが出てくるため、以前よりもリッチなデータをはるかに少ない手間で確認でき、PDCAのサイクルを大幅に早く回せるようになりました。
施策面でもレポート面でもできることが大幅に広がり、出来ることが増えたので以前より準備する内容が増えたりといったこともありますので、導入前との工数の単純比較はできないのですが、少人数での運用体制でも、施策を週単位で反映できています。そしてもちろん、メールアドレス取り込みのシステム対応ができるようになり、業務を削減できるなど、 業務フローとしてはいろいろな意味で改善できたと実感しています。データ連携の仕方など慣れるまで難しい部分もありましたが、ユミルリンク社の方にもいろいろとご協力いただき、自分でも試行錯誤を繰り返すことで、十分に活用できるようになっています。
ランドセルは購入時期が決まっていて高単価でもあるので、お客様も大変熱心に情報収集されています。特にメルマガ登録されているお客様はとても積極的な方々なので、メールの開封率が5割を超えたというケースもあります。そこまで高くない場合でも、全体的に他業界に比べると開封率が高くなっていて、お客様が本当に情報を待ってくださっていることが感じられます。
ツールに慣れるまでは、セミナーに積極的に参加して理解を深めたり、トライ&エラーを繰り返したりして運用方法を調整してきました。「Cuenote FC」のおかげで、できることが増えたのですが、同時に確認すべきことも増加したため、チェックリストを作って対応しています。出し分けの条件分岐など、条件ごとにテスト用メールアドレスを準備するなど、 確認フローを強化しています。
アンケートシステムとの連動もフル活用して、お客さまの満足度調査やお客さま参加型の企画などに活かしていきたいです。
またブラウザ上で完結するHTMLエディターや、ABテスト機能、アドレス帳の部分的更新対応など、バージョンアップにも期待しています。