公認会計士試験の「企業法」は、短答式試験でも論文式試験でも避けて通ることができない必須科目です。司法試験などと異なり、公認会計士試験では法律科目は少ないため、受験生の中には苦手意識のある方もいるかもしれません。そこで、この記事では企業法の概要や出題方法、攻略方法、さらに企業法にまつわるよくある疑問について解説します。
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公認会計士試験の「企業法」とは?
企業法は公認会計士試験の科目の一つで、法律科目です。試験範囲には、商法・会社法・金融商品取引法が含まれますが、主に会社法から出題されます。会社法はその全体が試験範囲とされ、会社の経営や設立に関するルールや手続きを学びます。なお、商法と金融商品取引法は一部のみが試験範囲に選ばれます。
公認会計士試験における企業法の出題項目
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験から構成され、企業法は両方の試験で出題されます。短答式試験では満点500点のうち100点(20%)を、論文式試験では満点700点のうち100点(約14.3%)を企業法が占めます。また、各試験における企業法の出題項目は下記のように異なります。
短答式試験の場合 | 論文式試験の場合 |
---|---|
会社法 商法 金融商品取引法 | 会社法 金融商品取引法 |
上記のように、短答式試験では、会社法・商法・金融商品取引法の全項目が範囲に含まれますが、論文式試験では、商法は出題されません。また、いずれも計算問題はなく、理論問題のみで構成されます。
公認会計士試験で企業法が苦手になってしまう理由
企業法は法律科目であり、公認会計士試験の他の必須科目とは異なります。法律は、正確にまるごと暗記する必要があります。そのため、暗記が苦手な人は企業法に苦手意識を持ちやすい傾向にあります。
また、暗記科目は勉強時間と成果が比例する傾向があり、攻略のためには時間をかけて取り組む必要があります。そのため、受験勉強の年数を重ねるほど有利になり、初めて受験する人と受験経験者とでは得点に差がつきやすいのも特徴です。
公認会計士試験で企業法を攻略する方法
苦手意識があっても、企業法は必須科目であるため避けて通ることはできません。ここでは、公認会計士試験における企業法の攻略方法について解説します。
必要な勉強時間と期間の目安
あくまで目安ですが、企業法にあてるべき勉強時間は、短答式試験対策で400時間程度、論文式試験対策で300時間程度といわれています。これは公認会計士試験の試験科目の中でも多いほうで、財務会計論に次ぐ時間数です。公認会計士試験の受験生は、公認会計士試験の勉強の総時間のうちの15~20%程度を企業法に費やすことになります。
攻略するための勉強方法
企業法は暗記科目のため、とにかく繰り返し頭に入れて記憶に定着させることが重要です。はじめに条文別の問題集を購入し、重要な条文を暗記できるまで何度も繰り返し解く勉強法が有効です。問題集をクリアしたら今度は過去問を繰り返し解き、試験直前には総復習のためにテキストを読み込むといったように、まずは繰り返しによって記憶を定着させ、直前期に復習して総仕上げを行う戦略がおすすめです。暗記が苦手な方には、すきま時間に繰り返し見る、写経のように繰り返し書いて覚える、といった方法が定番でおすすめの暗記方法です。
本番での解き方
短答式試験の企業法は、条文の知識に関連して選択肢ごとに正誤を判断するのみです。見落としのないよう冷静に解答し、早く終わったら必ず見直しして誤りがないか確認をしましょう。論文式試験では長文の論述が求められますが、問題の論点に関連する条文はどれか、どのような構成で論述するかを下書き用紙で検討しながら、論点のずれや漏れがないように落ち着いて解答しましょう。
公認会計士試験の企業法にまつわるQ&A
公認会計士試験の企業法に関して、まだ分からないこともあるでしょう。ここでは企業法にまつわるよくある質問について解説します。
公認会計士試験の企業法を攻略して合格を勝ち取ろう!
法律科目ということもあり公認会計士試験の科目の中でも企業法を苦手とする方は多くいます。しかし、メインの会社法を中心に条文やテキストを読み込んで正確に理解し、十分な暗記時間を確保して本番で冷静に解答することができれば攻略できます。資格を取得し、いざ働き始めた際も実務に役立つので、苦手だとしてもコツコツ取り組みましょう。
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監修:公認会計士 森 大地
大学在学中に公認会計士の勉強をはじめ、公認会計士論文式試験に一発合格。現在は、クレアールの公式YouTubeチャンネル「公認会計士対策ワンポイントアドバイス」にて、監査法人での仕事や試験対策の学習法などを紹介している。
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