居酒屋とは
居酒屋とは、一般的に酒を飲みながら料理を食べられる店を言います。スナック・バーとは異なり、居酒屋は日本式スタイルで、日本の酒と料理を中心に提供している場所。値段も比較的リーズナブルで、仕事帰りの人から、カップル、家族連れまで様々な人に利用されます。
あえてデザインを雑多な印象にしたり、住居のような雰囲気を演出したりするお店も多く、気軽に行けて緊張せずくつろげるような空間作りが主流。また、店内をネオンで装飾したり、SNSで目を引く奇抜なメニューを提供したりと、その時々の流行を反映した店舗もあります。居酒屋の歴史と種類、現代の居酒屋について見ていきましょう。
目次
- 1.居酒屋の歴史
- 2.居酒屋の種類
- 2.1大衆酒場
- 2.2立ち飲み屋
- 2.3角打ち
- 3.現代の居酒屋
- 3.1ネオ居酒屋ブーム
- 3.2専門性の高い居酒屋
- 3.3街コンや相席居酒屋など出会いの場としても
- 3.4閉店と新規出店が相次ぐ
居酒屋の歴史
日本において、店で酒を飲む風習が根付いたのは江戸時代のこと。当時の酒は今よりも高級でしたが、武士・町民の間でも広く楽しまれていたようです。
その後、日本最古の居酒屋とされる「みますや」が1905年(明治38年)に誕生し、今もなお居酒屋として営業しています。
また、現在では当たり前となっている居酒屋チェーン店の始まりは、1946年(昭和21年)の「鮒忠」(ふなちゅう)。フランチャイズという形式をいち早く導入し、1978年(昭和53年)には100店舗まで規模を拡大しました。1950年代には「村さ来」(むらさき)、「つぼ八」など、現代にも残る居酒屋が続々と創業されています。
居酒屋の種類
一口に居酒屋と言っても、営業スタイルは様々です。
大衆酒場
一般的に多くの人数で宴会をする、あるいはひらけた賑やかなスペースで酒を飲む場所が大衆酒場とされています。
値段は比較的リーズナブルで、気軽に立ち寄れるのが特徴。多くの居酒屋チェーン店なども、大衆酒場に分類されます。
立ち飲み屋
大衆酒場のように多くの人数で宴会ができる場所とは対称的に、立ち飲み屋は、ひとりまたは少人数で酒を飲む場所です。
店内には椅子がなく、立ったままのスタイルで酒を飲み、少し時間の取れるときに、ふらっと立ち寄って1~2杯の酒を飲むのが一般的。長時間居続けるのは、マナー違反とされる場合もあります。
料理も大衆酒場ほど豊富な種類はなく、手軽に食べられる料理を数品提供している場合が多いです。
角打ち
角打ち(かくうち)とは、酒屋で購入した酒を店内で飲むスタイル。角打ちのイメージは立ち飲みですが、最近では椅子とテーブルを置いてある酒屋も増えています。
これまでの角打ちは、年齢層が高い人の利用が多い傾向でしたが、最近では若い年齢層が角打ちを利用する光景も珍しくありません。
現代の居酒屋
現代の居酒屋は、SNSなどでの話題作りを狙って、個性的なお店が増えてきています。
ネオ居酒屋ブーム
現代の居酒屋では「ネオ居酒屋」がブーム。ネオとは「新しい」と言う意味で、店内にネオンが使用されており、どことなくレトロな雰囲気がありながらも、提供される料理・酒がお洒落なのが特徴的です。
また、SNSに載せたくなるような、空間作りのための様々な工夫がいたるところに施されています。
専門性の高い居酒屋
幅広い種類の酒と料理を提供する居酒屋の他にも、何かひとつに特化した専門性の高い居酒屋も増加。
例えば、日本全国にある有名な焼酎を中心に扱う居酒屋、世界各国のビールを扱う居酒屋などです。料理は、焼き鳥のみを種類豊富に扱う居酒屋、餃子専門の居酒屋など、特化型が多い傾向にあります。
街コンや相席居酒屋など出会いの場としても
広い空間で楽しく酒を飲めるというメリットを活かし、「居酒屋を出会いの場にしよう」という取り組みが「街コン」です。
相席居酒屋では、男女が相席になるよう座席を調整し、一緒に楽しく酒を飲める場を提供。街ぐるみで飲み会を開催し、過疎化の進む地方で取り組むケースが見られます。
閉店と新規出店が相次ぐ
2020年(令和2年)以降、コロナ禍において飲食店業界は大きな打撃を受けました。なかでも、飲酒をすると危機感が薄れて感染対策がおろそかになるとの理由から、居酒屋は酒類の提供を禁止されたり、時間短縮営業を余儀なくされたりするなど特に苦しい状況に立たされ、多くの店が閉店に追い込まれたのです。
しかし、落ち着きを取り戻しつつある昨今、居酒屋の新規出店はいたるところで見られ、賑わいを見せています。
また、居酒屋業界は、コロナ禍以前から勝ち残りが厳しい業界であり、毎年、開店する数と閉店する数が同じと言われるほどでした。だからこそ、居酒屋はそれぞれの特色を出して生き残りを目指しているのです。