アパレル業界とCRMの相性は抜群です。
CRMツールの導入によって、以下のような売上アップを達成したアパレル企業も多数存在します。
- 前年同月比120％のリピート売上
- ECサイトでの売上が30％増加
今回は、アパレル業界におすすめのCRM３選や導入のメリット・注意点・選び方・導入事例などについてまとめました。
深い知見を持ち合わせていないアパレル業界の企業担当者でも無理なく読み進められるよう、難しい用語は極力使用していません。
記事を最後までチェックすれば、どのCRMをどう使用すれば良いのかがはっきりとわかりますよ。
この記事の目次
そもそもCRMとは
CRMとは「顧客情報や行動履歴を管理して顧客と良好な関係を築くこと、またはそのためのシステム」を指します。
CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った言葉で、日本語だと「顧客関係管理システム」です。
CRMは、病院におけるカルテのようなものです。
カルテは、受診歴や治療歴を記録してより良い医療を提供するために用いられます。CRMは顧客情報や行動履歴をツールで一元管理して、それをもとにメルマガやクーポンを送るなどして、顧客とより良い関係を築くために用いられます。
CRMの概要についてより深く知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事：CRMマーケティングとは？成功事例３選と戦略、おすすめツールなど
アパレル業界でCRMを導入する５つのメリット
アパレル業界でCRMを導入するメリットは、以下の５つです。
- ウォンツ商材における顧客の需要を把握できる
- 顧客へのアプローチのタイミングを最適化できる
- オンライン・オフラインで連携できる
- 店舗間および本部で顧客情報を管理・共有できる
- リピート率の改善に繋がる
それぞれ詳しく見てみましょう。
ウォンツ商材における顧客の需要を把握できる
食品や日用品などの生活必需品をニーズ商材、なくても困らないが欲しいと思うものをウォンツ商材と言います。
そしてアパレル業界が取り扱う商品は、ウォンツ商材です。
ウォンツ商材はニーズ商材と比較して購買のハードルが高く、購買意欲を引き出すための施策が欠かせません。
CRMを導入すれば、商品購入者の性別・年齢・購入履歴のような情報を一元管理できます。
CRMによって収集した情報を分析することで「この商品はこんな層にウケている」「過去にこの商品を購入した人はこの商品も購入する傾向にある」のような需要を把握できます。
顧客へのアプローチのタイミングを最適化できる
CRMには、メールマガジンやLINEなどを使って既存顧客にアプローチできる機能があります。
季節の変わり目におすすめ商品を紹介したり、新商品やセールの情報を伝えたりすることが可能です。
「20代女性におすすめのコーディネートを紹介する」のように、顧客の属性を限定してメールを送ることもできます。
オンライン・オフラインで連携できる
アパレル業界には「実際に着てみて服を選びたい」という需要があります。よってECが普及した現在でも、実店舗に足を運ぶ方の割合が高くなっています。
しかし店舗への来店は、オンラインでの購入と比較してハードルが高いのが現状です。
近年注目されているマーケティング用語にOMOがあります。OMOは「Online Merges with Offline」の頭文字を取った言葉で、日本語だと「オンラインとオフラインの合併」です。
例えばCRMを用いて実店舗で使えるクーポンを配布すれば、見込み顧客に来店を促すことができるでしょう。
CRMによって来店へのハードルを下げるといった形で、OMOの実現が可能です。
店舗間および本部で顧客情報を管理・共有できる
アパレルショップ店員の離職率は、40％を超えるとされています。
顧客情報の管理を現場任せにすると、店員の離職と共に大事な顧客情報が失われかねません。
CRMを導入することで、各店舗の情報を本部で一元管理できます。また各店舗に対して顧客情報の共有が可能です。
リピート率の改善に繋がる
CRMは、顧客と良好な関係を築くためのシステムです。
CRMを通じて購入者に次回の割引クーポンを渡したり、購入に至らなかった見込み顧客に値下げ情報を通知したりすることで、顧客満足度の向上に繋がります。
顧客満足度が上がれば、それがリピート率の改善に繋がり、最終的にはLTV（顧客生涯価値）の向上に繋がるでしょう。
新規顧客の獲得は、既存顧客にリピーターになってもらうよりも５倍のコストがかかるとされています。また人口減少に伴って市場は縮小し、新規顧客の母数も減少を続けます。
よって新規顧客の獲得よりも、顧客満足度・リピート率・LTVを上昇させる施策が重要です。
アパレル業界におけるCRMツールの選び方
アパレル業界がCRMツールを導入する際は、以下５つの選び方を意識しましょう。
- 求める機能が搭載されているか
- 自社の既存システムと連携できるか
- 誰でも使いやすい操作性か
- サポート体制が充実しているか
- 自社に近い導入事例があるか
それぞれ詳しく解説します。
求める機能が搭載されているか
「顧客情報を一元管理できる」「メールマガジンを配信できる」のような機能は、どのCRMツールでも変わりません。
一方で細かな機能は、CRMツールごとに異なります。
例えばメールのみならず、SMS・SNS・アプリ通知などさまざまなチャネルで既存顧客や見込み顧客と接点を作れるCRMツールも存在します。
しかし、機能が豊富であればあるほど良いというわけではありません。なぜなら、その分費用が高くなるからです。
詳しくは後述しますが、まずは何のためにCRMツールを導入するのか、目的や目標を設定しましょう。
目的や目標の達成に必要な機能が搭載されたCRMツールを選ぶことが重要です。
関連資料：【CRMツール検討の適切なタイミングとは？】CRM導入に失敗しないためのツール導入費用の考え方
自社の既存システムと連携できるか
すでに何らかのカートシステム・受注システム・POSシステムを導入している企業が大半でしょう。
例えば既存システムとCRMツールの機能が被っていて、従業員によって情報の入力先が異なってしまうと、正確な顧客情報や行動履歴が把握できなくなってしまいます。
CRMツールを導入する際は、これら既存システムと連携できるかどうかの確認が重要です。
誰でも使いやすい操作性か
CRMツールは、本社の社員や各店舗の従業員など、さまざまなメンバーが操作します。よって、直感的に操作できるかどうかが重要です。
CRMツールの多くは、無料トライアルを実施しています。気になるCRMツールがあれば、問い合わせをして無料トライアルを受けてみましょう。
CRMツールについて一定の知識があるご自身だけでなく、他の従業員がうまく使いこなせそうか否かをチェックしてみてください。
サポート体制が充実しているか
どんなに使いやすいCRMツールでも、複数名の従業員が使用をしていれば、何らかのトラブルは発生します。
こういったトラブルを解決してくれるサポート体制が充実しているかどうかを確認しましょう。
メールだけでなく、電話ですぐに問い合わせができるとより便利です。
CRMツールによっては、操作を学ぶためのセミナーや運用定着サポートを実施しているところもあります。
自社に近い導入事例があるか
自社に近い企業の導入事例があれば、どのようにCRMツールを活用すれば良いのかのイメージが湧きます。
CRMツールを選ぶ際は、アパレル業界、それも自社と近い企業の導入事例がないかをチェックしてみましょう。
本記事でもアパレル業界におけるCRMツールの導入事例を３つ紹介します。
アパレル業界でCRMツールを導入する際の注意点
アパレル業界でCRMツールを導入する際は、以下２つの点に注意しましょう。
- セキュリティ性の高さが欠かせない
- 担当者のCRMツールに対する深い理解が必要
それぞれ詳しく解説します。
セキュリティ性の高さが欠かせない
CRMでは、名前・年齢・性別・住所のような個人情報を扱います。こういった個人情報が漏洩してしまうと、顧客に損害を与えるだけでなく、社会的な信用も失ってしまいます。
よって、セキュリティ性の高いCRMツールを選びましょう。
どんな企業でも、サイバー攻撃を受ける可能性はあります。「うちは大丈夫でしょ」と楽観視するのではなく、万が一に備えてセキュリティには妥協をしないことが重要です。
CRMツールのホームページにはセキュリティに関する記載はほとんどないので、問い合わせの際に尋ねてみると良いでしょう。
担当者のCRMツールに対する深い理解が必要
CRMツールは、深い知識がなくても直感的に扱えます。また何かわからないことがあれば、メールや電話でサポートが受けられます。
しかし担当者には、どんな顧客情報を収集できてそれがどんな施策に活きるのか、CRMツールに対する理解が必要です。
担当者がCRMツールに対する理解を深めておくことで、それを他の従業員に共有できます。
アパレル業界におけるCRMツールの活用についてより深く知りたい方は、以下の資料をチェックしてみてください。
関連資料：アパレルECのCRM鉄板シナリオ10選
アパレル業界におすすめのCRMツール３選
アパレル業界におすすめのCRMツールは以下の３つです。
- アクションリンク
- LTV-lab
- Dotdigital
それぞれ詳しく見てみましょう。
アクションリンク
アクションリンクは、ECサイトに特化したCRMツールです。
アパレル企業の21.56%が、ECサイトを所有しているとされています。しかし、ただECサイトを立ち上げただけで、特にマーケティング施策を実施できていない企業も多数存在します。
アクションリンクは、そういったアパレル企業におすすめのCRMツールです。
アクションリンク導入初月の売上アップ率は、平均219％と高い数値を誇ります。現在使用中のカートシステムと連携をして、プリセット済みのメールを導入後すぐに自動配信できるのも特徴です。
LTV-lab
費用対効果に優れたCRMツールとして知られる「LTV-lab」。導入後の費用対効果は平均564%と非常に高いです。
LTV-labは「費用を抑えつつ最低限の機能を使ってCRM施策を実行したい」と考えるアパレル企業におすすめです。
しかし、機能が少なすぎて困るということはありません。
カゴ落ち配信・休眠顧客引き上げ配信・ランキング配信・ポイント有効期限お知らせ配信・誕生日配信のような基本的な機能は搭載されています。
CRMに詳しくない方でも、メールを送り分けたり直感的にデータを分析したりできるので、初めての方でも気軽に試せるでしょう。
Dotdigital
Dotdigitalは、マルチストア・多通貨・多言語対応のイギリス発CXDPです。CXDPとは、既存顧客のみならず、見込み顧客に対してもアプローチができるシステムのことです。
Dotdigitalは、今回紹介する３つのCRMツールの中でも、最も大規模事業者向けのものとなっています。
FAQやDotdigitalからのニュースレターは全て英語となっており、国内だけでの使用には不向きです。一方で英語圏向けのテンプレートが豊富なので、海外にサービスを展開するアパレル企業にはおすすめです。
アパレル業界のCRM導入事例３つ
当サイトでは、３つのCRMツールを紹介しました。そのなかでアパレル企業に最もおすすめなのは、アクションツールです。
ここでは、アクションツールを導入した以下3社の事例について紹介します。
- 鎌倉ファッションブランド「KEY MEMORY」
- ワイシャツ専門店「ozie」
- レディース服専門店「axes femme」
それぞれ詳しく見てみましょう。
鎌倉ファッションブランド「KEY MEMORY」
“鎌倉の特別な時間”をコンセプトにした鎌倉発のファッションブランド「KEY MEMORY」。
「KEY MEMORY」は、メールマガジン経由での売上がなかなか上がらないことを課題に感じていました。
アクションツールを導入して鉄板シナリオを使ったメールマガジンを送ったことで、売上を４倍にすることに成功しています。
関連資料：特別インタビュー「KEY MEMORY」がメール売上4倍にしたアパレルECのCRM施策とは？
ワイシャツ専門店「ozie」
ワイシャツやネクタイをメーカー直販でお届けする「ozie」。
「ozie」はCRMツールを使用していたものの、顧客情報を十分に取得できなかったりメールマガジンの配信に時間がかかったりした点を課題に感じ、アクションリンクに乗り換えました。
その結果、メールマガジン経由での売上が20％増加し、従業員の作業が効率化されたことでより多くのメールマガジンを配信できるようになりました。
レディース服専門店「axes femme」
全国の商業施設に実店舗を持つレディース服専門店「axes femme」。
当初「axes femme」の売上の大半を店舗売上が占めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって臨時休業を余儀なくされ、ECへの注力を決意しました。
アクションリンクを導入することで、EC売上30％増、メールマガジン経由の売上15％増を達成しました。
アパレル業界でCRMを成功させるポイント
アパレル業界でCRMを成功させるポイントは、以下の2つです。
- CRMの導入目的を明確にする
- データ入力のルールを設ける
それぞれ詳しく見てみましょう。
CRMの導入目的を明確にする
特に改善したい点がない場合は、必ずしもCRMツールを導入する必要はありません。
現状どんな課題があるのかを分析して、それを解決するためのCRMツールを導入しましょう。
CRMツールを使えばどんな目的を達成できるのかについては、以下の資料をご確認ください。
関連資料：アパレルECのCRM鉄板シナリオ10選
データ入力のルールを設ける
CRMツールで収集される顧客情報には、自動で収集されるものと手動で収集されるものがあります。
データ入力のルールを設けておかないと、従業員によって入力方法が異なり、せっかく収集した顧客情報をうまく活用できません。
入力方法をマニュアル化して、従業員に周知しておく必要があります。
おわりに
本記事では、アパレル業界におすすめのCRM３選や導入のメリット・注意点・選び方・導入事例などについて解説しました。
早速気になるCRMツールを１つピックアップして、無料トライアルを受けてみましょう。
気になるCRMツールの導入費用については、以下の無料資料よりご確認いただけます。
関連資料：【CRMツール検討の適切なタイミングとは？】CRM導入に失敗しないためのツール導入費用の考え方
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