平成30年度YAMATOイラストレーションデザインコンペ入賞作品
平成30年度YAMATOイラストレーションデザインコンペの入賞作品および審査員講評です。
審査員
及川 正通・伊藤 桂司・江上 隆夫・小林 覚
最優秀賞 落合 哉美
回想 傷だらけ
画面いっぱいに傷だらけのピンクフラミンゴ?
羽のように胴体を覆う手には蜂がいて、小指は腫れ、薬指もささくれている。足には包帯、胴には切り傷。満身創痍のこの絵のタイトルは「回想 傷だらけ」。テーマをイラスト的に、いい意味で歪曲して表現に昇華した作品。しかし、選考の最初から目に入る面白さと力強さがあり、最優秀賞はすぐに決まった。
ピンクとシルバーの配色もGood!
優秀賞 荒木 天音
想像上の生き物
風景を描くと、その人の心情と環境が表れます。
「想」というテーマにとらわれず、さりげない風景の中に爽やかな光が溢れています。
高校生とは思えない手慣れた表現は、審査ではとかく避けられがちですが、私はあえてこの荒木天音さんの未来を見てみたい「想」で選びました。
優秀賞 島田 真優
おとしもの
僕がタイトルを付け直すとすれば、「捨てられない想い」だろうか。
大きな袋を引きずるようにして、それも裸足で歩いているところを見ると、いっそ捨ててしまおうとした“想い”を、実は溢れるほど持て余していることがわかる。何だか少し切なくて甘酸っぱい。
イラストの上手な人は他にもたくさんいたけれど、「想」というテーマのユニークな切り取り方と、そこに込められた作者のストーリー性を高く評価した。
優秀賞 高井 碧
想のかたち
自分は色の美しさに惹かれる傾向があるようで、選考当初から気になっていた作品。カラフルで、楽しくて、わけが分からない(笑)。イラストの線のタッチはいま風で、そこにミロをちょこっと盛り込んだような。いろんな画材を使って、楽しんで描き、創ったんだろうなと想像できる。絵の中に人の顔がいくつか隠れているのだが。それにしても!左上の人の目線が、めちゃくちゃ気になる。
優秀賞 水谷 初音
Overflowing feelings
このサイケデリックな感覚が、先天的なものか、後天的なものなのか?どんな音楽を聴いているのか? どんな夢を見るのか?日常的にどんなことを想っているのか?次から次へと作者への質問が頭をよぎる。この絵の不思議な魅力は、まさに鑑賞者をそう想わせ、幻惑させる色彩と造形感覚なのだろう。