養父市おおや堆肥センター 堆肥の高温発酵による「野菜の衛生管理指針」の順守について
野菜の衛生管理指針に係る堆肥製造について
農林水産省では、生鮮野菜を衛生的に保ち、微生物による食中毒の発生を防ぐため、「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針 (第2版) 令和3年7月30日改定」を作成し、堆肥の生産段階での衛生管理を推進しています。
- 栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(第2版)【農林水産省HPより】
- 野菜の衛生管理指針のポイント 【農林水産省HPより】
- 野菜の衛生管理指針チェックシート 【農林水産省HPより】
- 野菜衛生管理の観点からの堆肥の生産管理の注意点について【農林水産省】 (PDFファイル:507.5KB)
野菜の衛生管理の観点から、堆肥製造に係る衛生管理指針について(抜粋)
1.堆肥の製造では、最適な発酵条件を整えること。
- 副資材(もみがら・おがくず等)の利用により、原料料の水分調整をすること。
- 定期的な切返し等により、全体に空気を入れること。
2.堆肥製造時には、堆積物の内部温度を測定し、「55℃以上」が「3日間以上」続いていることを確認すること。
- 堆積中は中心部は高温になりますが、表層や底面ではあまり温度が上がらないため、定期的に切返しを行い全量を攪拌すること。
- (説明1) 食中毒を起こす菌の死滅のため、55℃以上の温度を保つ必要がある。
- (説明2) 雑草種子の死滅のため、60℃以上の温度を保つ必要がある。
3.野菜等に施用する堆肥は、十分に発酵が進んだ堆肥であることを確認すること。
- 堆肥の色が褐色~黒褐色になっていること。
- 臭いがほぼなくなっていること。
- 手触りがサラサラであること。
野菜生産者における、堆肥の施用に係る衛生管理指針について(注意点)
4.堆肥を購入する場合は、特に上記3(堆肥の腐熟度等)を確認すること。
- 堆肥を購入する際は、上記の堆肥製造に関する管理基準を守って作られたものであるか、堆肥は腐熟しているか等を確認すること。
5.上記1~3を確認できない堆肥を使う場合の、堆肥の施用時期等について
- 土壌から離れた野菜は、収穫の2か月以前に堆肥を施用すること。
- 土壌に近い葉物野菜は、収穫の4か月以前に堆肥を施用すること。
- 「乾燥鶏ふん」を使う場合も、「製造時に55℃以上3日間以上続いている」ことを確認できないものは、上記の施用期間を確保すること。
「おおや有機」 高温発酵による野菜の衛生管理指針の順守について
養父市おおや堆肥センターでは、堆肥製造において高温発酵を促し「野菜の衛生管理指針」の順守を行っています。
- 堆肥発酵槽では、常時、散気プロアで空気を入れ堆肥の発酵、乾燥を促しています。
※ 好気性微生物(酸素を好む微生物群)による発酵を行っています。
- 堆肥発酵の初期での発酵温度が最大80~85℃に達しています。
また、発酵槽内の多くの測定地点で55~80℃の高温発酵が確認されています。
- 「野菜の衛生管理指針」の順守に必要な55℃以上の発酵温度帯は10日間以上確保されています。
※棒状の堆肥用温度計により堆積物の温度を直接測定しています。
※堆肥の攪拌作業時に、高温発酵に伴う湯気の発生が目視確認できます。
- 100mの堆肥発酵槽内を、原則1日1回の堆肥全量の鋤返しを行い、前方へ4m/回の移動を行い約1か月間(25回の攪拌作業)で堆肥発酵が完了します。
(堆肥発酵槽は長さ100m、幅3m、深さ2mで、2レーンを設置している。)
- 出口付近では、ほぼ外気温近くまで低下し、堆肥の腐熟が確認できます。
- 完成した堆肥は、黒褐色で、臭いもなく、手に触れてもべとつきが少ない状態となっています。
- おおや堆肥センターでは、施設内でバラ堆肥を秤販売しています。
ご購入の際に堆肥の腐熟度を直接ご確認後、購入することができます。
「おおや有機の特色」好熱菌による高温発酵について
- 養父市おおや堆肥センターでの堆肥発酵槽内では、内部温度は最大で80~85℃になっています。
- 本施設内の堆肥発酵槽内で70℃以上の環境下で生育する微生物(菌)は「好熱菌、超好熱菌」と呼ばれ、施設稼働時(平成15年)より現在に至るまで、散気ブロア稼働及び鋤返し作業を継続的に行うことにより、継続された堆肥の微生物発酵が行われています。
- 100mの堆肥発酵槽内では、様々な発酵温度帯が存在しており、各相において最適な微生物発酵が行われています。
一般的に発酵微生物は、発酵生育温度帯により、次の分類等に分けられています。- 超高温微生物(80℃以上) ※「超好熱菌」と呼ばれています。
- 高温微生物(70~80℃) ※「好熱菌」と呼ばれています。
- 高温微生物(55~60℃) ※一般的な食中毒菌類は60℃以上で死滅します。
- 中温微生物(30~37℃)
- 常温微生物(12~18℃)
(注) 文献により様々な分類や表記があります。
病原菌や雑草種子の不活化について (資料編)
種類 | 温度 | 死滅時間 |
ブドウ球菌 | 50℃ | 10分 |
大腸菌 | 55℃ | 60分 |
60℃ | 15~20分 | |
回虫(卵) | 60℃ | 15~20分 |
クリプトスポリジウム | 60℃ | 30分 |
常温・乾燥 | 1~4日間 |
種類 | 50℃未満 埋設時の発芽率 |
60℃、2日間 埋設時の発芽率 |
メヒシバ | 96% | 0% |
ノビエ | 72% | 0% |
カヤツリグサ | 56% | 0% |
オオイヌタデ | 8% | 0% |
イヌビエ | 68% | 0% |
- 堆肥化施設設計マニュアル(中央畜産会編)より
お問い合わせ先
〒667-0306
兵庫県養父市大屋町宮垣480番地
養父市おおや堆肥センター
電話/ファックス 079-669-1812
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養父市広谷250-1
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更新日:2021年09月08日