外来種とは、元々その地域にいなかったのに、国内・海外を問わず人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。一方で、その地域に元から生息・生育していた生物を「在来種」といいます。
外来種によっては、持ち運ばれた地域の環境に適応して繁殖する可能性があり、その生態によっては「在来種を捕食する」「在来種のすみかを奪う」「在来種の繁殖を妨げる」など、その地域固有の生態系を乱すことにつながります。
外来生物
外来生物とは、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(通称:外来生物法)で、「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義されています。要するに、外来種の中でも国外から導入された生物のことをいいます。
特定外来生物
特定外来生物とは、外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業に悪影響を及ぼすおそれがあるものの中から「外来生物法」で指定されています。
特定外来生物は、持ち運びや飼育が厳しく規制されていて、違反すると罰金や懲役刑が科せられることがあります。
伊達市では、アライグマ・セイヨウオオマルハナバチが特定外来生物として確認されています。
アライグマ
原産地は北アメリカ。体重3キロから10キロ。頭胴長(頭の先から尾の付け根までの長さ)41センチメートルから60センチメートル。尾の長さ20センチメートルから41センチメートル。白色の顔に黒色系のマスクを着けたような外見で尾に5本から6本ほどのしま模様があります。
非常に気性が荒く、凶暴でかまれると感染症などの危険もあることから、近づかないようにしましょう。
伊達市においては、農作物に対する深刻な被害が報告されていて、特にスイートコーン、長芋などの食害があり、農業に大きな影響を与えていることから「伊達市鳥獣被害防止計画」を策定し、アライグマの防除に努めています。
セイヨウオオマルハナバチ
原産地はヨーロッパ。平均体長約1センチメートルから2センチメートルほど。胸部や腹部のそれぞれが鮮やかな黄色と黒色のしま模様で、腹部の末端は白色。この斑紋は、女王・働きバチ・雄バチでほとんど差がありません。
主にハウス栽培でトマトやナスの受粉を助ける昆虫として、輸入されるようになりました。
しかし、最近になって、温室から逃げ出したセイヨウオオマルハナバチの野生化が目立つようになりました。セイヨウオオマルハナバチは、餌や巣が競合することで在来種を駆逐したり、受粉を依存する植物を減少させる懸念があります。
詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
日本の外来種対策:特定外来生物等一覧(外部リンク)ミ
生態系被害防止外来
特定外来生物ではないが、幅広く生態系などに被害を及ぼすおそれのある外来種のことをいいます。
伊達市では、アメリカオニアザミが生態系被害防止外来種として確認されています。
アメリカオニアザミ
アメリカとありますが、ヨーロッパ原産でキク科の植物です。8月中旬から下旬にかけて開花を迎えます。繁殖力(1個体あたり約3,000粒)が強く、在来の植物を駆逐したり人や動物にケガを負わせることがあります。葉っぱがギザギザで、トゲがあるのが特徴で、手に刺さると痛みを伴います。枯れた後でも鋭いトゲがあるため、駆除をするときは十分に注意が必要です。
駆除にご協力ください
自己所有の敷地などにアメリカオニアザミが生育していた場合は、野生の生態系を守るため駆除にご協力ください。
駆除の方法
- 花が咲く前の駆除が効果的です。
- 鋭いトゲがあるため革手袋などをつけて作業してください。
- 株や根が残っていると再生するので、スコップなどを使って周辺の土ごと掘り返してください。
- 根に付いている土をよく落とし、トゲがごみ袋を突き破る可能性があるので、新聞紙などで包み、必ず可燃ごみとして排出してください。
詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
日本の外来種対策:生態系被害防止外来種リスト(外部リンク)
外来種被害予防3原則
環境省では、外来生物(国外由来の外来種)の被害を予防するために、以下の3原則を提唱しているのでご協力をお願いします。
1.入れない
悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域に「入れない」
2.捨てない
飼養・栽培している外来種を適切に管理し「捨てない」
3.拡げない
すでに野外にいる外来種を他地域に「拡げない」
詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
日本の外来種対策:外来生物法(外部リンク)