北黄金貝塚(きたこがねかいづか)
伊達市の南側にある北黄金貝塚(かいづか)は約6000年から4000年前の縄文(じょうもん)時代の遺跡(いせき)です。5ヵ所の貝塚やお墓(はか)、家の跡(あと)、鹿をとるための落とし穴、わき水の近くの儀式(ぎしき)の場などがみつかっています。
広さは約140000平方メートルです。遺跡のそばには発見された土器や石器などを展示している北黄金貝塚情報(じょうほう)センターがあり、縄文人の説明を聞くことができます。
北黄金貝塚の特徴(とくちょう)は、貝塚の中から人の骨をともなったお墓がみつかることです。貝塚は「ゴミ捨て場」と思われがちですが、そうではありません。縄文人たちは、自然の中で自然の一員として生きた人たちなので、自分たちが食べた貝や動物に感謝(かんしゃ)の気持ちをもって、村の中の神聖(しんせい)な場所に積み重ねていきました。
縄文人が食べた貝や魚や鹿は、みんなもともと生きていたものですから、食べ終わった後の貝殻や骨などは大事に「お葬式(そうしき)」をしてあげなければいけないと縄文人は考えたようです。つまり、貝塚は「すべての生き物の墓地(ぼち)」なのです。だから、貝や動物の骨と一緒に人間のお墓がでてくるのです。
有珠(うす)モシリ遺跡(いせき)
モシリ遺跡を遠くからみた様子
伊達市の北側の有珠地区にある「有珠モシリ遺跡」は約2000年前の続縄文期の遺跡です。約10000平方メートルの小島で、潮が引いたときには歩いて渡ることができます。
遺跡からは貝塚とお墓がみつかりました。そして、きれいな飾り(かざり)がついた、魚やオットセイをとるための銛(もり)や釣り針(つりばり)などがたくさんみつかりました。中には儀式(ぎしき)に使った道具で、クマやクジラが彫刻(ちょうこく)されたスプーンもありました。鹿の角を石のナイフでけずってリアルなクマの像を作っています。
イモガイのブレスレット
有珠モシリ遺跡でのびっくりする発見は、沖縄(おきなわ)などのあたたかい海でしかとれない「イモガイ」で作られたブレスレットがみつかったことです。
イモガイでできたブレスレットは九州の弥生人(やよいじん)たちが好んで使っていたもので、弥生人は沖縄に住んでいた人たちからイモガイを手に入れて、自分たちでブレスレットを作っていました。
つまり、「イモガイで作られたブレスレット」が北海道で発見されたということは、約2000年前に沖縄から九州、本州を通って、北海道に人や物、情報が行き来していたという証拠(しょうこ)なのです。
これは続縄文人や弥生人のイメージを変える大発見でした。
有珠モシリ遺跡の出土品は重要文化財に指定されて、高校の日本史の教科書にも写真がのっています。
教育委員会生涯学習課文化財(ぶんかざい)係
電話 0142-23-3331(内線513・514)