会の案内
ご挨拶
公開日:2022年2月25日
私どもは次の三点を基本的な活動目的として2004年に発足した非営利団体です。
①患者さんやご家族の交流の場の提供
②補償・救済制度等の手続きや裁判の支援
③患者・家族の経済的・社会的な権利の確保と改善
私は1997年に当時42歳の夫を「悪性胸膜中皮腫」で亡くしました。夫の父親が働いていた石綿工場から持ち帰ってきた作業着やマスクで遊んでいたことが原因でした。当時は、「肺がん」の診断で、労災も適用されず、石綿健康被害救済制度もなく、小学生から中学生の4人の子どもを育てていくのに必死の思いでした。のちに、救済制度での認定を受け、会社の責任を問う裁判も起こしましたが2005年に最高裁で敗訴しました。
当会が2004年2月7日に発足し(会長は故・斉藤文利さん)、翌年2005年には兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の周辺に住んでいたことで中皮腫を発症された土井雅子さん、前田恵子さん、早川義一さんの告発に端を発する「クボタショック」によって、2006年に石綿健康被害救済制度が成立する契機となりました。その後も、大阪・泉南地域の被害者の皆さんが勝ち取ってくださった泉南アスベスト訴訟最高裁判決、建設労働によって被害を受けた皆さんが勝ち取ってくださった建設アスベスト訴訟最高裁判決などによって、不十分な部分がありながらも多くの被害者が救われてきました。
現在、北海道支部から南九州支部まで、全国23の支部、800名ほどの患者さん、ご家族、ご遺族などの会員さんによって私たちの活動は支えられています。2021年には新たに北関東支部も発足しています。
代表的な病気である中皮腫は希少がんと言われ、確立した治療法もなく根治が難しい病気です。それでも患者さんどうしが励まし合いながら、お互いの体験を共有されています。患者さんを支えている家族の方々、支えてきたご遺族の方々も、友人知人には話せないことも会の仲間には心を分かち合って話すことができます。
アスベスト被害を受けたすべての患者と家族が公正かつ平等に救済・補償され、中皮腫をはじめとするアスベスト関連疾患の治療法が1日も早く確立されることを切に願いつつ、その実現に向けて今後も活動をしていきます。
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
会長 小菅千恵子
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