【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>|チャコット

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

ユーリ!!! on ICE × Chacott:衣装デザインの裏側

いよいよ、本格男子フィギュアスケートアニメ「ユーリ!!! on ICE」が始まりました。
最初にチャコットに衣裳デザイン原案のオファーがあったのは、今年の1月。今回、このアニメのために久保ミツロウさんが描き下ろした作品ということで、私たちも全部のストーリーはまだ知りません。この先どうなっていくのか楽しみです♪
そして、ストーリー以外にもうひとつ。選手が試合で着用する衣裳にも注目してください!
今回、特別企画として衣裳の原案をデザインした佐桐のインタビューを紹介していきます。元のデザインがどのようにつくられ、それがどのようにアニメ化されたのか、ぜひチェックしてくださいね!

― 第4回 ―
5話 今回は勇利に憧れる南健次郎のフリーと、勇利のフリーの衣裳について聞きました。

●まずは南健次郎のフリー用衣裳について、いかがでしたか?

━すべて描き終えた中で考えてみると、一番つくりやすい衣裳だった気がします。

●そうなんですね。その理由はなんでしょう?

━ほかの衣裳に比べて、監督からいただいていた情報がシンプルだったからでしょうか? 「小柄で、元気で、天真爛漫、シニアに上がったばかり
それらを踏まえて、スーツスタイルとベストスタイルの2パターンを描きました。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

どちらも髪の毛が一部赤いと聞き、カラーはにぎやかにしています。
アニメでもほぼそのまま採用されたベストスタイルは、ポイントに赤を使いました。また、POPな音楽に合わせてスパンコールも大きめのものを使いました。外した蝶ネクタイでラフさを出しています。
「アニメでは、表彰式のシーンでは蝶ネクタイが結ばれていましたね。実際の衣裳では、ほどいた状態で縫いとめてしまうので残念ながら結べません。」

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

●実際のスパンコールの素材を見せてもらいました。かなりキラキラしていますね!

━はい、平らに置くと平面的ですが、ここに身体が入るとスパンコールの角度が変わって光が乱反射するので、より効果的です。

●パンツ側章も光っていますね!

━そうです。パンツの裾がロールアップしてあるのですが、これはデザイン面だけでなく、スパンコールが引っかからないようにするためでもあります。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

●袖もロールアップされていますが、伸ばすこともできるんですか?

━いえ、これは腕をまくった状態で縫いとめてあるので、このままです(笑)。

●スーツスタイルはいかがでしょうか?
━大人っぽくジャケットスタイルにしました。

こちらは全身に赤を。そしてポイントはゴールドのネクタイです。
小柄なので上半身に視線を集めるため、ジャケットにだけ幾何学的なラインを入れました。胸には音符のモチーフと羽を付けました。

●勇利のフリーの衣裳、お話の中ではヴィクトルが「勇利にはやっぱりこの衣裳が一番美しく見えるね」といっていましたね!
そんな衣裳ですが、どのようなこだわりがありますか?

━勇利には、オールタイツではなくジャケットスタイルが似合うかなぁと思いました。そしてフリーでは、カッコイイ男性のイメージで強さを出したいと思って描いたのがこれです。
ジャケット風なのですが、素材はやや薄手でしなやかな2WAYの素材にしています。
あえて胸元は大きめに開けました。スリムに見せるため、ウエスト部分はメッシュ素材にして、その上にストーンで柄を描いています。実際はベージュの生地を裏に貼って、肌が透けているようにつくっているのですが、なかなかアニメーションではその表現はむずかしそうですね。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

●前身頃の裾のほうが長くなっているんですね。

━勇利はヒップラインには自信があるのではないかと思っているので、あえて後ろの丈は短めにしました。

●ストーンはどうやって付けているんですか?

━1粒ずつボンドで貼っています。地道な作業ですよ(笑)
チャコットで扱う衣裳は、ベースにストレッチも素材を使うことが多いのですが、その場合は、細めのボディに着せた状態で貼っていきます。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

ちょうど石付け作業中のドレスがあったので、実際に付けるところを見せてもらいました!

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

作業者によって若干作業手順はちがうそうです。
(1)先に松ヤニなどを付けたスティックで、ストーンを1粒拾い、ボンドを付けて衣裳に貼る。
(2)先に衣裳にボンドを5か所くらい置いて、そこにスティックで拾ったストーンを付けていく。
などいろいろ・・・
そして、私が気になったのは、片手に持っている丸いもの。チュールの残布を使ってボンドの糸引きをとるそうなのですが、作業を重ねていくうちにチュールがボンドで固まってこのようになるそうです。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

●下書きはないんですね。

━そうですね。デザイン画を見ながらフリーで書いていく場合も多いですが、ネットなど下が透けて見える生地の場合は、下書きを中に入れて付けることもあります。

【ユーリ!!! on ICE × Chacott】 衣裳デザインの裏側 <第4回>

今回はここまでです。
今回は石付けのおまけ情報もお届けしました。またこういったミニ情報も盛り込んでいきたいと思います。
次回もお楽しみに♪

ページの先頭へ戻る