CGER 世界流域データベース

世界流域データベース

-2007年3月,第1版公開-

現在、地球上では人口増加、産業発展、生活様式の変化、灌漑農業の拡大等に伴い、水に関連した様々な問題が顕在化してきている。代表的な問題として、水不足、過剰利用による地下水の枯渇と地盤沈下、ダムや貯水池による生態系破壊、安全な水供給と衛生設備の不足による健康被害、近年多発している大雨や大洪水といった水害などが挙げられる。これらの問題は供給量の不足や不安定性といった気候、地形、土壌が寄与する自然科学的な要因と、灌漑、ダム、汚染排水、インフラ設備といった社会経済的な要因により生じている。また上下流間での水資源の競合や国際貿易を通じて流域界や国境を越えてやり取りされる莫大な水(Virtual Water)を考慮すると、水問題の解決には自然科学から社会科学にわたり包括的に要因を考慮した流域から地球規模の統合的な研究や解析と、それに基づく管理や対策の実施が必要であると考えられる。このような背景を踏まえ、独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センターデータベース事業の一環として、世界流域データベース(Global Drainage Basin Database:GDBD)の開発を行った。

GDBDは自然科学から社会科学にわたる幅広い情報を格納した6つのGISデータ(流域界データ、河道位置データ、流量観測所データ、自然湖データ、人工湖データ、表面流向データ)から構成されるデータベースである。GDBDは水に関連した様々な分野へ基礎情報を提供し、水問題の解決に向けたな研究や解析に応用されることが期待される。

参考文献:Yuji Masutomi, Yusuke Inui, Kiyoshi Takahashi and Yuzuru Matsuoka, Development of highly accurate global polygonal drainage basin data, Hydrological Processes, 23, 572-584, DOI: 10.1002/hyp.7186, 2009

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更新履歴

2009.3.17 参考文献を追加。
2007.7.11 IDBファイルを各大陸フォルダに追加。IDBファイルはラスターデータを見る際に必要。
解説書と利用約款を更新。
2007.3.15 第1版公開

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高橋 潔
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