CCBJHグループは、利益をともなった成長を実現するためのリスクと機会の管理、社員と資産の保護、危機対応能力の強化、保険によるリスク移転の方法を統合した包括的なビジネスレジリエンスプログラムを導入しています。
当社の取締役会は、リスクマネジメントに対する全体的な責任を負い、事業のリスク選好度を設定します。
取締役会は、リスクとそれらに対する戦略的対応および戦略的目標を達成するための経営活動を監視することに深く関与しています。
また、それらを支えるため、リスクマネジメントは、日々の事業活動や企業文化のなかにしっかりと組み込まれています。
当社のエンタープライズリスクマネジメント(以下ERM)のPDCAフレームワークは、COSOフレームワーク(※1)およびISO31000に基づいており、機会の活用およびリスクに基づいた適切な意思決定、そして強力なリスクの識別能力、予見可能なリスクへの対応を促進することで、利益をともなった成長を実現するフレームワークを提供します。
当社のビジネスレジリエンスプログラムは、リスクマネジメント責任者(HRM)が主導しており、HRMはELT(※2)のメンバーとして、特定のビジネスリスクに対応するために、部門長および事業全体のリスクオーナーと緊密に連携しています。
HRMには、すべての事業の流れを広く見渡し、新たなリスクおよび機会を把握するための幅広い視野を保つことが求められており、定期的な報告を通じ、ELTおよび取締役会へリスク情報を見える化し、提供しています。
(※1)トレッドウェイ委員会支援組織委員会(COSO)が発行している世界基準の内部統制のフレームワーク
(※2)Executive Leadership Teamの略。 CEOと各本部長を含めたCCBJIグループ全体のマネジメント組織
ERMプログラムには、事業戦略、目標、原則との整合性を確保するためのさまざまな要素が盛り込まれており、当社の戦略的方向性、倫理、価値観との一体化を推進しています。
また、事業計画サイクルと連動し、当社のリスクプロファイルを更新し、機会を創出しうる要因について内部および外部環境を継続的に監視しています。
また、当社が付すべき保険の種類と金額について毎年評価を行っています。保険市場が厳しさを増すなか、当社の保険リスク移転のアプローチは、その付保可能金額とコスト、蓋然性の評価、関連するリスクの重大性によって影響を受けています。
当社ではリスクおよびリスクに関連する軽減策・対応策を常に評価しています。
監査等委員会には四半期ごとに、取締役会には年2回、その全容が報告され、毎年内部監査チームと外部監査法人により、グローバルなベストプラクティスをふまえた監査が行われています。
2022年は、研修や意識啓発セッションの作成・提供を通じて、ERMとスマートリスクプログラムの企業文化への統合を強化することに引き続き注力しました。
また、毎月のELTとの対話や、上級管理職による部門別のリスクの特定およびレビュー会議を通じて、リスクと機会の見える化を継続しました。
また、事業継続計画を含む強固な危機管理プログラムにより、当社は危機に効果的に対応する能力を備えています。
これらのプログラムは、経営陣の危機管理能力を試す対話型のシミュレーショントレーニングの実施とともに毎年見直されています。
主要なリスクの定期的な見直しを実施し、リスクにさらされている度合いを確認、発生可能性と影響度の分析を行った上で、リスクに対応するための戦略を評価しています。リスクリストは、最終的に当社に影響を与えうるすべてのリスクを含んでいるわけではありません。なぜなら、当社がまだ把握していないリスクや、現時点では重要でないと評価されていても、最終的に当社の事業や財務状況に影響を与えうるリスクが存在するからです。事業および戦略の優先順位に照らしてリスクを評価する強固なリスクマネジメントプログラムを活用し、ビジネスルーチンに組み込むことで、当社は事業環境の不確実性に常に注意を払い、機敏に対応できるようにしています。このプログラムにより、当社は新たなリスクや機会を積極的に特定することが可能となり、さらに事業の実行可能性に対する脅威を把握することができます。
リスクカテゴリ | 概要と主な影響 | 対応策 |
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コモディティ価格 | 為替相場、原材料の不足、製品価格の変動などにより調達コストが上昇するリスク
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マクロ経済 | 紛争、インフレ、為替変動など、世界規模の事象によりマクロ経済が大きく変化するリスク
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サイバーセキュリティとシステム | システム障害やサイバーインシデントにより、事業活動が停止、あるいは情報漏洩が発生するリスク
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消費者嗜好の変化 | 新型コロナウイルス感染症、健康意識の向上や砂糖摂取への懸念の高まりにより、消費者の嗜好が変化するリスク
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人財(確保と維持) | 業績不振や競争の激しい雇用環境により、十分な人財の確保・維持・育成および労働組合との建設的な関係の構築ができないリスク
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自然災害 | 地震・洪水などの大規模な自然災害により、社員や生産・物流・販売業務のための設備、事業所などへの被害が発生するリスク
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小売りおよび競争環境の変化 | オンライン注文の急増や外部マクロ環境による消費行動の変化にともなう小売市場環境が変化するリスク
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成長戦略 | 競争力強化および事業拡大のための施策(経営統合、設備投資、製品開発など)を実行できないリスク
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財務リスク | 資金調達コストの増加、退職給付債務の増加により、財務状況が悪化するリスク
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リスクカテゴリ | 概要と主な影響 | 対応策 |
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サスティナビリティー | 消費者のプラスチック使用に対する否定的な感情や、政府のプラスチック規制強化により、ステークホルダーの懸念が増加するリスク
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品質と安全性 | 製品の品質や食品の安全性に係る問題が発生するリスク
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倫理・コンプライアンス | 法令・社内規程や倫理規範違反が発生するリスク
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製造、物流、インフラストラクチャー | 生産・物流業務の問題や、天候、消費者行動の変化により製品の安定供給が阻害されるリスク
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気候変動 | 気候変動にともなう悪天候により水、農作物などの原材料の不足または業務上の影響が発生するリスク
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安全衛生 | 交通事故を含む作業に関連する健康および安全に係る重大なインシデント(重大な傷害または死亡)のリスク
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フランチャイズ関係 | 商標権者であるザ コカ・コーラ カンパニーおよび日本コカ・コーラへの依存度が高いこと、または契約・関係の条件や更新、集中価格、製品プロモーションのサポートなどに関する関係の変化に関するリスク
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TCFD提言に基づく開示