お客様満足度向上活動
マネジメント
課題認識
近年、社会のデジタル化が急速に進んだ影響で、お客様がインターネット上で多くの情報を集め、その情報を様々なコミュニケーション手段で発信・共有するようになっています。こうした状況の中でお客様の満足度をより向上させるためには、ネット上のデータを取得・分析し、お客様のご意見や価値観を把握して製品・サービスの提供に活かすことが必要だと考えています。
カシオグループとの関わり
お客様意識の変化により製品の機能だけでは他社製品との差別化が難しくなっています。
SNSや様々な情報チャネルから収集されるお客様の声や、修理に持ち込まれた製品の故障内容などを分析し、関連部門と連携して製品開発へのフィードバックを行うことで、カシオブランドに対する信頼を高め、お客様満足度向上に繋げることが重要であると考えています。
方針
当社では、創造的な活動を通じてお客様の期待と感動を生み、世界の人々の心と暮らしを豊かにすることを方針としています。製品を使っていただくお客様の安心と信頼を得るために、三大CS活動を通じてアフターサービスおよび製品品質の改善を行い、お客様の声を製品・サービスの改善に役立てる活動に取り組んでいます。
アフターCS
- 製品知識・修理技術・ご相談対応における各種スキルアップに向けた対応スタッフの教育の充実
- 公的資格取得による応対品質の向上
- 対応拠点の改善活動など
機能CS
- 国内外の「お客様の声」を確実に社内に届け、関係各部署と一体になった改善活動
- 製品の機能改善に結び付ける活動など
品質CS
- 国内外のお客様から寄せられたご相談や製品の不具合情報の収集・分析
- 問題の早期発見・早期対応・再発防止など
製品の企画開発からアフターサービスにおいて、お客様に寄り添い、あるべき姿を想像し、製品の企画開発への改善提案やお客様満足度を高めるサービス提供など、全社で改善活動を実施しています。
三大CS活動を基本方針とし、ユーザーファーストの視点でお客様の意見を集約し、経営層をはじめ社内各部門と情報を共有化し、アフターサービスの拡充に活かしています。
また、お客様満足についての理解を深めるため、全従業員を対象とした社内向けコンテンツ「お客様満足ガイド」を公開しました。従業員一人ひとりが、自身の役割の中でお客様満足に繋がる場があることに気づき、そのための活動を実践していけるよう推進していきます。
活動実績
お客様相談窓口としての取り組み
当社は、カシオ製品に関するお客様からのお問い合わせにお応えするために、1981年に相談窓口を開設しました。
すべてのお客様に生涯カシオファンになっていただくことをビジョンに掲げ、重要な顧客接点であることを意識しながら、一人ひとりのお客様と日々直接向き合い、ご相談に適切にお応えすることでカシオブランドに対する信頼の向上に取り組んでいます。あわせて、お寄せいただいた「お客様の声」を確実に社内へ届けることで、ユーザーファーストによる事業経営の一翼を担っています。また、世界各国の現地販売会社に設置されたカスタマーサポートセンターとの相互連携を強化し、それぞれの地域に見合った顧客体験価値の向上を図ると共に、現地の「お客様の声」を確実に収集するような仕組みを整えています。
お客様への「気づかい」の気持ちを大切に
社会動向の変化に合わせて、コミュニケーションスタイルが多様化する中、お客様のニーズに合わせたお問い合わせチャネルの拡充に常に取り組んでおり、各チャネルにおいてお客様が期待するサポートを提供できるように努めています。
その取り組みの中では、お客様を敬い、お役に立ちたいと想う「気づかい」の気持ちをもってお客様と接することを重要視しています。同時に、ご質問に単純にお答えするのではなく、お客様一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしながら、「お問い合わせの本質」を正確に捉え、適切に解決することを目指しています。また、窓口応対に対する満足度調査を定期的に実施し、更なる顧客体験価値の向上を図っています。
お客様の声の共有化とユーザーファーストの視点による改善
お客様からいただいたお問い合わせやご意見を、重要な「お客様の声」として開発部門や営業部門などの関係部門と共有化することで、より良い製品作りやサービスの提供のために活用しています。
あわせて「お客様の声」の分析を基に、「ユーザーファーストの視点による改善」も積極的に行っています。
特にお客様との重要な接点となっているサポートWebサイトにおいてはお客様が自己解決できるようユーザーファーストの視点に基づいたコンテンツの提供を進めています。同様に、海外サポートWebサイトについても、現地のカスタマーサポートセンターと連携しながら主にFAQの拡充を行っています。
カスタマーハラスメントへの対応
近年、社会問題化しているカスタマーハラスメントに対して、全社的に取り組むことを目的に「カスタマーハラスメント対策委員会」を立ち上げました。
全社統一の対応指針を定め、カシオグループ全体の現状把握ができるよう、社内Webサイトを開設し、全社規模でカスタマーハラスメントに対応する体制を整備しました。
今後も、全従業員の尊厳を守り、企業として対応していくための体制を強化していきます。
ご相談件数、内容別内訳(2023年度国内コンシューマ製品)
2023年 | ||
---|---|---|
品目 | 国内 | 海外 |
時計 |
42.5% |
77.2% |
教育(電卓・辞書) |
10.1% |
18.5% |
楽器 |
5.7% |
3.2% |
その他コンシューマ製品 |
11.7% |
0.6% |
システム機器 |
30.0% |
0.5% |
計 |
100.0% |
100.0% |
ご相談件数、品目別内訳
国内CS活動
アフターサービスにおける顧客満足(CS)を担うサービス部門では、お客様にご満足いただけるアフターサービスの提供を実現するため、修理技術・製品知識・接客応対のスキル向上に継続して取り組んでいます。
また、お客様の信頼や時代の変化とともに変わるニーズに即応できるよう、SMS等を利用したアンケートシステムを構築、お客様からいただいた評価やご意見に耳を傾けることで、お客様のニーズやライフスタイルを第一に考えたサービス体制の構築や利便性の向上を実現できるよう努めています。
信頼できるサービス品質
進化し続ける製品機能に即応し、ご満足いただけるサービス品質の提供を実現するため、カシオ製品の修理を担っているカシオテクノでは、国家資格の時計修理技能士検定1級・2級の取得をはじめとした公的資格および専門資格の取得に力を入れています。
また修理技術だけでなく、豊富な製品知識と優れた接客応対能力を持つ従業員を育成し、お客様へより質の高い、きめ細かいサービスを提供できるよう努めています。当社では従業員一人ひとりが、高い技術力の習得と心からお客様に喜ばれ信頼される人格形成に錬磨し、お客様に安心と感動を与えるサービスをお約束できるものと考えています。
お客様の利便性の追求
秋葉原、横浜、名古屋、大阪、福岡の各サービスステーションでは、時計のクイック電池交換サービス(約60分で完了)や、学習や受験対策に欠かせないツールである電子辞書に関しては即日返却サービスも提供しています。
また、Webサイトから修理依頼品の症状を入力することで概算の修理料金を確認する事ができ、そのまま修理の申し込みが行える「Web修理受付サービス」など、継続してお客様のニーズやライフスタイルに合わせた利便性の向上に取り組んでいます。
ブランドの価値を高める
カシオ直営店「G-SHOCK STORE」では、アフターサービス専用窓口「メンテナンスブース」の併設を進めて
おり、時計の電池交換・バンドのコマ調整などを約60分で行うサービスも提供しております。
2024年3月に大阪市浪速区のなんばパークスにオープンした「G-SHOCK STORE NAMBA」をはじめ、全国9都市にあるメンテナンスブースでは販売からアフターサービスまで、一貫したサービスを提供することで、ユーザーコミュニケーションの活性化を通したブランド価値向上に取り組んでいます。
G-SHOCK STORE SHIBUYA
G-SHOCK STORE NAMBA
今後もカシオの製品を末長くご愛用いただけるよう、製品ごとにお客様のニーズに合せたサービス内容の見直しや拡充を図っていきます。
海外CS活動
海外におけるカシオ製品のアフターサービスは、海外グループ会社10社および協力会社約1,000社で行っています。(2024年3月時点)
このグループ会社10社とは年に一度の全体会議を通し、情報共有、方針決定、および戦略協議を行っています。
世界中のお客様が質の高い修理サービスを受けられるように、修理技術者に対して定期的に技術講習を実施し、修理スキルの向上を図るとともに、各拠点での修理時間、修理品質、修理コストなどを検証し、常に改善に取り組んでいます。
また、直営店ではお客様との直接の対話接点を重視した取り組みも各エリアで実施しており、例えばアメリカではSOHO SERVICE EVENTを開催しています。
2024年5月の海外グループ会社との会議
海外グループ会社の修理拠点
拠点検索機能のあるスマートフォンアプリを中国で稼働させるなどお客様の利便性向上にも取り組んでいます。
また、CS本部においては、海外修理拠点と定期的にリモートQCサークルを開催し、修理作業場の監査等を通じ、各国が抱える課題の解決に取り組みました。
今後も海外拠点のリモートQCサークル活動を通じて、更なる修理品質の向上につなげていきます。