サステナビリティ経営の歴史
サステナビリティ経営の歴史
カシオのCSR活動には、社会動向の変化に対応してきた歴史があります。社会動向とCSRの歩みを振り返り、企業におけるCSR経営が現代において、ますます重要視される背景を再確認します。
1990年代 - 環境経営の定着
日本企業の度重なる不祥事をきっかけに、企業のあり方に関する批判が高まっていた時代です。大企業を中心に行動規範を制定するなど、法令遵守が進みました。また、地球温暖化問題が指摘され始め、地球規模での環境問題が顕在化してきた時代でもあります。
こうした背景により、環境経営にシフトする企業も多く現れました。
カシオにおいても、1991年に「環境保全委員会」を設置し、環境経営の推進を始めました。1993年には「カシオ環境憲章」を制定し、製品、工場・事業所の両面からカシオグループ全体での環境行動に着手します。
また、国際規範や各国・地域で適用される法令等への遵守が重要であるとの認識から、1998年には「カシオ倫理行動規範」を制定し、すべての役員および従業員が高い倫理観と良識をもって行動することをグループにて徹底しました。
● CSRマネジメント強化 ● 環境対応 ● 情報開示 ● 社会動向
社会動向
1990 | ● | 地球温暖化防止行動計画が決定 |
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1991 | ● | 再生資源利用促進法施行 |
● | 経団連地球環境憲章制定 | |
1993 | ● | 環境基本法施行 |
1994 | ● | 気候変動枠組条約が発効 |
1996 | ● | 国際環境規格ISO14001発行 |
1997 | ● | 地球温暖化防止京都会議(COP3)にて京都議定書が採択 |
1998 | ● | エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)改正 |
● | 地球温暖化対策推進法制定 |
カシオの対応
1991 | ● | カシオ環境保全委員会発足 |
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1993 | ● | カシオ環境憲章、環境基本方針を制定 |
1997 | ● | カシオホームページに環境への取り組みを掲載 |
● | 愛知カシオ、山形カシオISO14001認証取得 | |
1998 | ● | 「カシオ倫理行動規範」を制定 |
● | 甲府カシオ、高知カシオ、韓国カシオ、カシオエレクトロメックス(メキシコ)ISO14001認証取得 | |
1999 | ● | グリーン調達ガイドライン制定 |
● | 「環境報告書1999」を発行 | |
● | 「エコプロダクツ1999」に初出展 | |
● | カシオ電子工業ISO14001認証取得 |
2000年代 - CSR経営への転換
活動に加え、人権、労働、社会、製品責任などを含めたCSRが議論され始めました。また、ステークホルダーとのコミュニケーション手段としてCSRレポートの発行が始まります。さらにCSR室の設置やCSR担当役員を任命する企業が増え始め、CSRは自社を持続的に発展させるために不可欠な要素として、経営戦略の文脈でCSR推進が図られるようになりました。
カシオでは2003年、経営理念である「創造 貢献」を時代に合わせて問い直し、「カシオ創造憲章」として制定することでCSR経営に舵を切りました。2004年には「CSR推進室」「CSR委員会」を新設。2005年には、カシオグループとかかわりをもつステークホルダーを特定し、それぞれへの責任を明示した「CSR報告書」の発行をスタートしました。
● CSRマネジメント強化 ● 環境対応 ● 情報開示 ● 社会動向
社会動向
2000 | ● | 国連グローバル・コンパクト発足 |
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● | GRI「持続可能性報告ガイドライン」発行 | |
● | 容器包装リサイクル法施行 | |
2001 | ● | グリーン購入法施行 |
● | 資源有効利用促進法施行、廃棄物処理法施行、循環型社会形成推進基本法施行 | |
2002 | ● | 持続可能な開発に関する世界首脳会議が開催(ヨハネスブルク) |
● | 化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)施行 | |
2003 | ● | WEEE & RoHS指令が発効 |
2005 | ● | 京都議定書が発効 |
2006 | ● | JEITAでサプライチェーンCSR推進ガイドブックを策定 |
カシオの対応
2000 | ● | 国内生産拠点およびカシオ計算機4事業所におけるISO14001認証取得完了 |
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● | 環境会計を導入 | |
● | グリーン調達基準書の発行と取引先説明会実施 | |
2001 | ● | 台湾カシオ、カシオソフトISO14001認証取得 |
2002 | ● | カシオ電子(深セン)、カシオ電子(中山)、カシオテクノ本社ISO14001認証取得 |
2003 | ● | 「カシオ創造憲章」制定 |
2004 | ● | 「CSR推進室」「CSR委員会」発足 |
● | 「環境報告書」を改め「環境経営報告書2004」を発行 | |
2005 | ● | 「環境経営報告書」を改め「CSR報告書2005」を発行 |
● | 欧州向け全製品のRoHS指令対応を完了 | |
2006 | ● | 「CSR報告書」「会社案内」を一体化して「コーポレートレポート2006」を発行 |
2009 | ● | カシオ環境ビジョン(旧・カシオ環境憲章)、カシオ環境宣言(旧・環境基本方針)を制定 |
2010年代 - 経営戦略におけるCSRの推進
ステークホルダーの価値観も大きく変化し始めています。特に2015年に採択された持続可能な開発目標「SDGs」を自社の事業活動と照らし合わせて、優先的に貢献する課題を特定する企業が増えています。投資家も企業のCSR活動をESG(環境・社会・ガバナンス)情報として投資判断に活用し始めており、こうした背景を受けて経営戦略におけるCSRの推進が盛んに行われるようになっています。
カシオも、国連グローバル・コンパクトへの加盟や、ISO26000の活用など国際的な枠組みに則り、社会要請への対応を進めてきました。2016年には、さまざまなステークホルダーとの対話を通じてマテリアリティを特定、社会要請を自社のCSR経営に取り込む仕組みを整備しています。
そして2018年にはSDGsへの貢献を見据えて、カシオがグローバルに貢献できるターゲットの検討を始め、2019年には、中期経営計画と合わせて、各事業において取り組むべきサステナビリティ目標を策定し、SDGsの17の目標のうち、カシオが貢献していくべき目標を明確にしました。
● CSRマネジメント強化 ● 環境対応 ● 情報開示 ● 社会動向
社会動向
2010 | ● | 「ISO26000」発行 |
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2013 | ● | GRIガイドライン第4版発行 |
● | IIRCによる国際統合報告フレームワーク発表 | |
2014 | ● | IPCC第5次評価報告書発表 |
2002 | ● | SDGs採択 |
● | GPIFがPRIに署名 | |
● | ISO14001改訂 | |
● | パリ協定採択 | |
2016 | ● | GRIスタンダード発表 |
カシオの対応
2010 | ● | 「コーポレートレポート」を改め「サステナビリティレポート2010」を発行 |
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● | 国連グローバル・コンパクト加盟 | |
2011 | ● | カシオグループ生物多様性ガイドラインを制定 |
2012 | ● | ISO26000の現状分析実施 |
● | 「CSR Communication Book2012」を発行 | |
● | カシオ環境ビジョンをカシオ環境ビジョン 2050に、 カシオ環境宣言をカシオ環境宣言 2020に改訂 |
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2014 | ● | カシオグループ人権尊重に関する基本方針の策定 |
● | 持続可能な紙利用のためのコンソーシアムに参画 | |
2015 | ● | カシオグループ紙の調達方針を制定 |
● | マテリアリティを検討 | |
● | カシオ計算機を対象としてCSRリーダー制度を構築 | |
2016 | ● | マテリアリティを特定 |
2017 | ● | CSRリーダー制度を国内グループ会社に拡張 |
2019 | ● | 監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行 |
● | 各事業において取り組むべきサステナビリティ目標を策定 | |
2020 | ● | 中長期温室効果ガス削減目標を再設定 |
2021 | ● | 当社温室効果ガス削減目標が「SBTi」の認定を取得 |
● | 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明 | |
● | 「カシオ環境ビジョン2050」「カシオグループ環境方針」を全面的に見直し、カシオグループ環境理念として再構築 |