腐敗防止・コンプライアンス
腐敗防止・コンプライアンス
カシオ ビジネス コンダクト ガイドライン
すべての役員・従業員が「創造 貢献」の経営理念をビジネス上実践する上では、法令の遵守および倫理的観点からの適切な行動が大前提となります。カシオでは、 重要な行動規範を具体的に示した『カシオビジネスコンダクトガイドライン』をこれまでの「カシオグループ倫理行動規範」に替わるものとして2022年3月に制定しました。
カシオ ビジネス コンダクト ガイドラインの項目
1.高品質の商品・サービスを開発し、社会の役に立ち続けます
2.事業活動のあらゆる側面で環境への配慮を徹底します
3.公正・誠実・適正な取引活動を徹底します
4.事業活動のあらゆる側面で人権を尊重します
5.従業員の多様性を尊重し、働きやすい職場環境を構築します
6.適正な企業情報開示とステークホルダーとの建設的な対話を行います
7.社会貢献活動を通じて、健全で心豊かな社会の実現に貢献します
8.自然災害、情報セキュリティ、事業環境変化等のリスクに対し、漏れのない危機管理を実施します
9.経営者および組織の長は「カシオ ビジネス コンダクト ガイドライン」の遵守を率先垂範するとともに、周知徹底の責任を負います
コンプライアンス体制
カシオでは、コンプライアンスは企業活動を支える土台であるとの認識のもと、法令遵守はもとより、高い倫理観に基づいた企業活動で社会からの信頼を得ることが大切であると考えています。法令遵守の徹底として、事業推進上、関連する法令の棚卸を行い、それぞれの法令に対する主管部門が的確な対応を行なっていることを内部統制委員会で確認するとともに、行動規範である「カシオビジネスコンダクトガイドライン」を全役職員に徹底しています。
また、2023年10月からは、当グループにおけるコンプライアンス業務の統括管理組織として、法務部にコンプライアンス室を設置し、法令遵守の徹底とインテグリティ・カルチャーの醸成を図っています。
競争法
競争法コンプライアンスプログラムを策定し、世界の全拠点にコンプライアンスマニュアルを配布、周知徹底を図るとともに、各拠点で従業員教育を実施しています。また、競争法コンプライアンスにおける監査を実施し、監査結果で判明した問題点の対応策を検討し、施策を実施するなど、本プログラムのさらなる定着を図っていきます。
国内では関連部門の参画による景品表示法遵守委員会を設置、自主管理規程の整備や教育などの啓発活動を行っています。また、事務局による指導やお客様から寄せられたご意見のフィードバック、関連部門での自主監査の実施、改善事例の共有化などの活動により、商品の適正な説明表示を行うように努めています。
プライバシー法
各国で個人情報に関連する法規制の強化が進んでおり、グローバルにデータを活用したビジネスを推進するためには、各国のプライバシー法に対応する必要があります。このため従来の対応体制をさらに強化すべく、2021年3月にグローバルなプライバシー法対応のための専門組織「海外個人データ保護対策室」を設置し、各国法令動向の確認、個人データの取得から保管・利用・廃棄にいたるまでの的確な取り扱いの徹底、従業員教育、定期監査を実施しており、遵守体制強化に努めています。
事業推進上、関連する法令の棚卸を行い、それぞれの法令に関する主管部門が的確な対応を行っていることを、内部統制委員会において確認。万が一不備がある場合には是正措置を講じ、定期的なモニタリングを行っています。
輸出管理
輸出管理(正式には安全保障貿易管理)とは、国際的な平和と安全の維持を目的とし、大量破壊兵器や通常兵器の開発などに転用される恐れのある貨物・技術の輸出を規制することで、懸念国や地域、テロ組織にそれらが渡ることを防ぐためのものです。
カシオ計算機は1987年、輸出管理を適切に実施するために「カシオ計算機安全保障輸出管理プログラム(コンプライアンスプログラム)」を自主管理規程として策定し、以来、法令の改正の都度、これを改定し今日に至っています。
コンプライアンスプログラムを確実に実施するための社内体制として、関係部門に輸出管理責任者を配置し、プログラムの確実な遂行に努めています。
2010年4月の「輸出者等遵守基準」の施行に伴い、国内グループ会社に対する教育活動を強化するなど、関係法令の改正などに呼応して、法令遵守の徹底を図るとともに毎年の自主監査により、体制の維持管理に努めています。
また、国内法のみならず米国の再輸出規制に対する管理体制も整え、2012年には英国、ドイツのグループ会社で、また2013年には米国のグループ会社で輸出管理教育を実施するなどグローバルに輸出管理の拡充に取り組んでいます。
2022年度では、外為法改正に合わせたコンプライアンスプログラムの改定、ウクライナ情勢をめぐる法令改正情報の発信を行い、全社で共有しています。
下請法遵守の取り組み
カシオは、グループ会社を含めた「下請法遵守委員会」を設置し、常に法令に基づいた適正な取引を行うよう努めています。下請法遵守委員会の年次の基本計画のもとにグループ会社各社がそれぞれのPDCAを展開し、適正な下請取引を維持するようにしています。
2020年度より社内講習の対象者を全従業員に拡大し、さらに、お取引先・委託先の窓口を担当する従業員には、監督官庁が主催する講習会などを通じて、必要な知識の習得を図っています。
社内講習では、実際の下請取引の場面を設定し、より具体的に業務と関連付けた学習内容とすることで、一層の理解を図っています。また、グループ会社によってはその取引実態に合った独自の教材を作成し研修を行うなど、さまざまな工夫をしながら理解の促進を図っています。
この他、官公庁のWebの閲覧・メール配信サービスなどで最新情報を取得し、遵守委員へ直接配信するとともに、遵守委員会のWebページに掲載し、グループ内での共有を図っています。
一方、下請取引のある現場では、順次自主監査を行っています。発注から支払いまでの一連の取引について、保存書面を検査しながら適正な取引・遵守の状況を確認し、問題が発生しないよう努めています。
引き続き、下請法への理解を深め、遵守水準の向上に向けた体制強化、およびより一層の適正取引の推進とパートナーとの価値創造に向けた取り組みに努めていきます。
また、カシオは「パートナーシップ構築宣言」を公表しています。
腐敗防止の取り組み
カシオでは、違法および不適切な接待・贈答等を授受しないなど、贈収賄行為の排除について務めていますが、事業のグローバル化の進展、ならびに、法規制強化や摘発の厳格化という昨今の状況に鑑み、グループ全体の贈収賄リスクへの対応を強化するため、「カシオ 贈収賄禁止ガイダンス(カシオグループ向け)」を2014年7月に、そして同年10月に「贈収賄禁止マニュアル(「カシオ計算機向け)」を制定しました。
この「カシオ 贈収賄禁止ガイダンス」では、ファシリテーションペイメントの禁止を含む贈収賄禁止の基本的なスタンスや考え方を明示し、また、「贈収賄禁止マニュアル」では、コンプライアンス責任者の設定、教育・研修、監査、通報窓口等、贈収賄禁止のための体制や仕組みの整備、贈答・接待の金額基準の設定等、具体的ルールについて定めています。また、各拠点におけるローカル・ルールやマニュアル作成を促進し、グループ全体での贈収賄禁止に関する体制を強化しています。
また、2022年に3月に制定した、「カシオ ビジネス コンダクト ガイドライン」においても贈収賄行為の排除について明記し、徹底を図っています。
税務
カシオグループでは、取締役及び従業員が法令遵守及び倫理的観点での適切な言動をとるための行動規範である「カシオ ビジネス コンダクト ガイドライン」を定め周知・徹底を図っています。
税務についても同様に、移転価格税制・タックスヘイブン対策税制等を含む各国の税務関係法令、国際ルール等を遵守した適正な納税を行い、税務コンプライアンスの維持・向上に努めています。
公益通報ホットライン
カシオでは、人権への配慮を含むコンプライアンスを担保し、健全なガバナンスを維持する目的で、2006年4月に「公益通報ホットライン」を立ち上げて以来、社内外に設置した窓口機能を通じて、中立で公正な対応を図ってきました。
分け隔てなく、すべての相談、通報に対応すること、不適切な行為に対しては毅然とした対応を図ることを基本として、リスクが現実的な問題に拡大する前に予防を施すことに力を注いでいます。
通報件数は、2022年度は11件ありました。その内の5件は「ハラスメント」、その他6件でした。7件が終息しています。
2015年4月より公益通報の社外窓口の委託業者を変更しました。これによって英語と中国語によるウェブ相談・通報と、英語による電話相談・通報も可能になり、海外グループ会社からの通報にも対応が可能になりました。また本制度の浸透定着をより充実化すべく、社内に設置した公益通報者保護のホームページ上で英語と中国語の言語対応を行い、海外を含めたグループ従業員への理解の促進に努めました。
2017年度には、社内からの内部告発の受付窓口に加えて、お取引先からの通報専用の社外受付窓口を開設しました。(2017年10月開設)
2019年5月にウェブによる社外受付窓口を一新し、欧州GDPRに対応するとともに、半匿名(社外受付窓口に対して実名、会社に対して匿名)の通報者とホットライン事務局が直接やり取りできる仕組みを新設しました。
2021年には、通報・相談に対し、より適切な対応を行えるよう運用体制の変更を行いました。
①相談窓口における客観性・秘匿性および相談者の安心感の確保のため弁護士を活用。
②対応手続き全過程においての適切な対応として、通報者の秘匿性を担保しながら専門家を含む適材適所による適切な対応を強化。
③最終確認も上記同様に通報者の秘匿性を担保し適切な対応を強化。
④運用体制変更に伴い「公益通報ホットライン基本規程」を改訂。
2022年1月からは懲戒処分の件数・概要について社内に開示する運用を開始しました。
2022年度 公益通報実績
通報内容内訳 | ハラスメント | その他 |
---|---|---|
件数 | 5件 | 6件 |
公益通報ホットラインの設置