優良事例(一般部門)
「人の和、地域の和、心の輪」を主旨とした自主防災活動
加茂5区中自治会防災会
(鳥取県米子市)
事例の概要
■経緯
「人の和、地域の和、心の輪」を主旨として、人の交流に留意しつつ、災害時要援護者対策や、防災意識普及のための啓発活動、防災マップ作成、防災資機材の整備などに取り組んでいる。また、「自分達のまちは自分達で守る」ことを主旨として、年間訓練計画を立て、計画的に訓練を実施している。
■内容
- 1. 資機材の整備等に関すること
消火栓が少ないため、町内の要所に自衛消火栓を掘削し、現在9箇所を設置している(目標12箇所とし、年1箇所を計画的に設置)。なお、同地区に設置されている消火栓は、掘削した自衛消火栓9箇所を含め、全11箇所である。ポンプは月初めに点検、放水訓練を実施している。また、各家庭で消火器の備え付けを徹底し、全戸で備え付けている。 - 2. 災害時要援護者に関すること
「災害に遭わないための心構えと準備」をテーマに、特に平成18年度は災害時要援護者が安心して暮らせる地域づくりを目標に活動。災害時要援護者の把握のため「災害時要援護者マップ」を作成するとともに、町内85世帯を15の小グループに分けて「誰が誰をサポートするのか」といった協力体制を具体化し、日常と災害時の支援体制を確立した。 - 3. 防災意識普及啓発に関すること
防災会では、各家庭に防災カードの作成方法を教えたり、防災会の避難計画を示したりして、地域で行動できるように指導、訓練している。また、訓練時に市職員や消防吏員から直接指導を受け、防災知識の普及に努めている。その他、中国電力株式会社の支援を受け、電気器具、配線等の点検指導を受けている。 - 4. 訓練に関すること
町内の一斉清掃(年4回)時に全員参加で実施。その他、自治体等が実施する防災訓練や講習会にも積極的に参加している。
〔主な訓練〕
- ・初期消火訓練:消火器の使用法、消火器の備え付け、水ポンプによる消火
- ・防災訓練:火災・地震・津波(洪水)時の避難計画と訓練、担架搬送(応急担架の作り方)、炊き出し
- ・要援護者避難訓練:自治体等が実施する訓練に参加し、実際に要援護者の避難を訓練
- 5. 日ごろの備えに関すること
- ・防災資機材の点検、整備
- ・地域安全マップの作成
- 6. 協定に関すること
災害時の避難場所の提供について、地域内のスーパーや銀行と協定を締結している。
自治会長による防災教育
油火災の消火訓練
要援護者宅の火元の点検
自衛消火栓の掘削作業の様子
苦労した点
- 1. 人間関係・コミュニケーション創り
若い世代、独居高齢者など、地域コミュニティと関わりが薄く、近所付き合いに乏しい人達との人間関係の構築に最も苦労した。
その解決のため、地元行事や祭等に子ども会を巻き込んだ。その結果、子どもが来れば若い世代の両親も祖父母も参加するようになり、自然と交流の輪(和)が広がるようになった。また、子ども会が折鶴やメッセージカードを高齢者宅に届けるなどして、世代間交流の促進に努めた。 - 2. 訓練参加率向上
訓練の機会を設けても、訓練のためだけにわざわざ参加するのは難しく、地域の皆が揃って訓練を体験することができなかった。
そこで、一斉清掃等の行事が終わった後に訓練の時間を設けることにした。その結果、高齢者から子どもまで、地域の皆が揃って訓練を体験することができた。既にある行事に上手く訓練を取り込んだのが良かったと思う。 - 3. 災害時要援護者の把握(「災害時要援護者マップ」の作成)と支援の体制の構築
特徴
- 1. 自衛消火栓の掘削
- 2. 「災害時要援護者マップ」の作成、地域での支援体制の確立
- 3. 地域内のスーパーや銀行との災害時の避難場所の提供に関する協定締結
団体概要
加茂5区中自治会防災会
- 世帯数
- 85世帯(平成20年4月1日現在)
実施期間
平成7年4月~