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人工衛星による通信サービスで災害時でも安心!集落の孤立を防ぐ房総の試み

写真説明:「かわせみ」が導入した「スターリンク」のアンテナ(2024年8月28日、千葉県南房総市で)

房総半島台風5年 備えはいま③

「これを使えば、災害時でもインターネットで情報収集ができます」。南房総市の山あいにある大井地区で、芳賀裕さん(72)は人工衛星による通信サービス「スターリンク」のアンテナを前に説明を始めた。

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能登半島地震きっかけに通信悪化の備え強化

芳賀さんは、大井地区の住民でつくる自主防災組織「かわせみ」で事務局長を務める。かわせみがスターリンクを導入したのは2024年4月。能登半島地震の被災地を視察し、通信環境の悪化に備える必要があると判断したという。
「災害時には行政も被災して機能しないかもしれない。住民が主体的に備えを進め、地域で自立することが必要だ」。芳賀さんは力を込める。

東日本大震災後に自主防災組織発足

かわせみが活動を始めたのは2012年。東日本大震災がきっかけだった。自治会費や市からの補助金、地域住民や企業からの寄付などを原資とし、食料品の備蓄や発電機の準備、防災計画の策定などを進めてきた。
大井地区は2019年9月の台風15号(房総半島台風)の暴風で、市街地とつながる道路が倒木などで塞がり、一時は孤立状態となった。電柱の倒壊に伴って停電も発生し、解消まで9日を要した。
その際に「共助」を担ったのが、かわせみだ。地区の集会所に大型発電機を用意し、洗濯機や炊飯器、スマートフォンの充電器などを使えるようにした。高齢者など自分で食事を準備できない住民向けには、1日100食の弁当を用意した。

写真説明:房総台風により倒木と土砂崩れでむき出しになった山肌。千葉県南房総市で。読売新聞社ヘリから。2019年9月21日撮影。

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