テンセント株が急落-ゲームは「精神的アヘン」と中国メディア
Zheping Huang-
国営紙がゲームを「電子薬物」とも批判-次の標的との懸念
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テンセント、12歳未満のゲーム全面禁止を業界全体で探る可能性提案
3日の香港株式市場で、テンセント・ホールディングス(騰訊)株が一時11%近く急落。国営新華社通信系の国営紙・経済参考報はゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」だと批判し、テンセントはその後、12歳未満の子供に対する全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示した。
経済参考報による今回の厳しいゲーム批判などで、電子商取引や配車、オンライン教育産業を締め付けてきた中国政府がオンラインエンターテインメントを次の標的にするとの懸念が広がっている。
テンセントは下げをやや縮小したものの、6.1%安で引けた。ゲーム事業を手掛けるネットイース(網易)やXDの株価も急落。東京市場でもネクソンが6.5%安で取引を終了。一時は下げが10%を超えていた。
中国はオンラインゲームの有害性に警戒を-経済参考報
経済参考報はある生徒の証言として、テンセントで最も人気を集めるゲームの1つ、「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」に1日8時間興じている同級生もいると報道。ゲームに費やす時間の管理強化を求めた。数時間後に記事へのオンラインリンクが説明もなく削除されたが、印刷版には当該記事が残っている。
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![Tencent led falls in gaming stocks Tuesday](https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ih3Y63JQ9Erg/v2/60x-1.png)
テンセントはその後、未成年者に対するゲーム時間をさらに制限する方針を発表。平日は1時間、休日は2時間までとする。また、12歳未満の子供にはゲーム内の購入も禁じる計画だ。具体的には踏み込まなかったものの、12歳未満に対しては業界全体でゲームの全面禁止を探る可能性も提案した。
DZTリサーチのシンガポール在勤アナリスト、ケ・ヤン氏は「精神的アヘンという言葉の選択が特に辛辣(しんらつ)で、規制当局がこれに関して何もしないとすれば驚きだ」と述べた。
原題:Tencent Explores Gaming Ban After ‘Spiritual Opium’ Critique (1)(抜粋)