こってり系ご飯でもサウナ後なら太らないってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「サウナ」について。こってり系のサ飯もサウナ後に食べれば太らないってホント? 日本サウナ学会代表理事/應義塾大学医学部特任助教の加藤容崇先生にお話を伺いました。
Q:こってり系ご飯でもサウナ後なら太らないってホント?
サウナを楽しんだあとに食べるご飯、略して“サ飯”。サウナでは脂肪が燃えるため、そのあとにこってり系のサ飯を食べても太らないというウワサが。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問について日本サウナ学会代表理事/應義塾大学医学部特任助教の加藤容崇先生に聞いてみました。
A:ウソ
「サウナ前であろうが、サウナ後であろうが摂取カロリーは変わりませんから、消費カロリー以上に摂取すれば、当然カロリーオーバーになります」(加藤先生・以下「」内同)
こってり系のサ飯はやっぱり太る?
「どのタイミングで食べても摂取カロリーは変わらないので、サウナ後であっても食べ過ぎれば、もちろん太ります。そして、サウナにより“ととのう”ことで食欲増進につながり、ついつい摂取カロリーが増加してしまうことが多いです。ただ、“ととのう”状態では味覚を含む感覚が敏感になることがサウナ愛好家の間では知られています。旬の食材の風味や色彩などがより豊かに感じられ、カロリーに頼らなくても満足感が得られると考えられため、サウナのあとは旬の食材を使ったサラダなどのあっさりとした食事でも一層美味しく感じられ満足感が得られます」
“ととのう”ためにはサウナの前後も大事?
「ホントです。サウナ後の過ごしかたとして、特に大事なのは食事です。いわゆるサ飯と言われ、食事まで“ととのえる”ことも大事だと考えられています。サウナでさらにととのうための裏ワザとして、前回紹介したようなサラダを食べることがおすすめです。サラダはととのいやすい環境を作ります。さらに、“ととのう”体験そのものも豊かなものにしてくれる相補関係にあります。
サウナに入っていると、3つの幸せホルモン(心の平常を保つセロトニン、やる気や達成感をもたらすドーパミン、そして心身の苦痛を和らげ快感をもたらすエンドルフィン)が分泌されますが、分泌されるにつれて、ホルモンを生成する成分はどんどん消費されていきます。これらホルモンを生成する原料となるアミノ酸の中には、トリプトファンやフェニルアラニンなどの必須アミノ酸が含まれます。必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事により補給することが必要です。よって、この必須アミノ酸を含んだ食材を使ったサラダを食べれば、よりととのいやすい環境を生み出すことができるというわけです。
ちなみに、サラダの中にレモンやグレープフルーツなどの柑橘系を入れておくと、柑橘系の香りと味は交感神経を活性化させ気分を高揚させるので“ととのう”の追体験ができるかもしれませんね」
“ととのう”のメリットは?
「まずは幸福感、そして、リラックスしているけれど、意識が清明に優れ、リフレッシュした感覚になれること。ほかにも、脳の疲れが取れることやアイデアがひらめきやすい頭になることなど、たくさんの良いことがあると思います」
サウナで汗をかくとお酒が抜ける?
「抜けません。むしろお酒が入っている状態では水を飲んでも体の脱水状態が解消されないため、大変危険です」
お疲れの人にもサウナがいい?
「サウナに入ると疲れの原因となる乳酸が低下するという報告があります。理由はふたつあり、ひとつ目は温熱効果によって筋肉が柔らかくなり、血流が増加することで肩こりや腰痛が改善します。ふたつ目の理由は、精神医学的効果で深くリラックスできることが挙げられます」
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文/土屋美緒
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群馬県出身。北海道大学医学部医学科卒。北海道大学医学部にて特任助教として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部に勤務。帰国後、慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット、北斗病院腫瘍医学研究所に勤務し、癌ゲノム医療を行っている。加速する医療費増加を目の当たりにし、予防医療の重要性を認識。健康習慣による予防が最高の手段だということに気づき、予防医療としてのサウナを研究するため、日本サウナ学会を設立。自身も筋金入りの「サウナー」であり、サウナブームを牽引する人物のひとり。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)がある。