ラグゼ(がまかつ)からライトロックフィッシュ向けのベイトロッド【寧音(ねね)】が2023年に登場したので、さっそく投げ比べてみた様子をお届けしたい。
個人的にはとても気になっていたロッドで、特にB79MHはネット通販で売り切れのところが多く、幸先順調な売れ行きなのだろうと思っているが、なかなかインプレ記事や動画が見つからない。
今回はそんな寧音シリーズの中から最もライトな64MLと、最も長い79MHが手に入ったので触れてみたい。
<ラグゼ 寧音とはなにか?>
詳細は商品ページを見た頂くほうがいいが、オリジナルカーボンパイプ型中空リールシートや、チタン仕様のガイドをスパイラル状にセッティングし、ティップには食い込みの良いソリッドタイプを採用など、かなり特徴的なこだわりの詰まった一振りとなっている。
⇐ 寧音B79MH / 寧音B64ML ⇒
リアグリップの長さが両者で全然違うが、いずれにしても250mm(B64ML)と330m(B79MH)と短いので、脇に挟み込んだりリアグリップを握り込んで遠投するようなものでもない。
カーボンパイプ型のリールシート。
一見するとスピニングロッド? と思えるが、この形状で立派なベイトロッド。
トリガーレスの使用感については後で触れてみたい。
月下美人AIRに付けてみた感じ、特に不都合無く扱えそうな印象。
トリガーレスのため、丸型よりもグッと握り込みやすいロープロ型のほうが相性良いかもしれない。
スパイラルガイドは、リールシートに一番近い1個目とその次の2個目までは真直ぐ上向きに付き、3個目から時計回りに3個回転するように配置され、それ以降はスピニングロッドと同じように下向きに付くようになる。
ティップ側はマットブラック塗装が施されたソリッド仕様になっていて、見た目で素材が異なっていることが分かる。
2分割されている寧音をつなげて、月下美人AIRを取り付けたうえで重みの中心点がどこにあるのか測ってみた。
B64MLの場合、リールよりちょっと上に中心点がある。
これをどう受け止めるか。
B79MHの場合、ほぼロックナット部が中心点となった。
レングスがある分、より手元に中心点があるほうがルアー操作するときの疲労感は少なくて済みそう。
ロッドの重量を実測してみた。
標準自重はB79MHで62g、B64MLで47g。
1g以上の誤差が無いあたり、工場製造レベルが高いといえる。
というわけで試し投げをしに海まで行ってみた。
夜明けとともに小雨が降り始めたので、雨の中での投げ比べとなっている。
B64MLをメーカー推奨上限近くまで投げてみた感じ、意外と余裕があって上限値を超えるルアーでもまだまだ投げられることに驚いた。
トリガーレスな分グリップが効きにくくなるので、ルアーウェイトによってはキャストの仕方に注意が必要。
5g程度ならワンハンドでどんな投げ方も可能だが、10gとなるとサイドのワンハンドキャストは手首が辛くなる。
B64MLでルアーウェイト上限を超える10gでもキャストに不安はなく、むしろベストマッチといえるくらいしっかり振れる。
スパイラルガイドゆえか、ルアー交換時に緩んだラインにガイドが絡みやすく、このあたりは注意が必要。
B64MLのルアーウェイト下限1gについてはロッドのしなりが十分に得られずコントロールが効かない印象。快適に使えるのは2gくらいからかな。
あ
続いてB79MH
ルアーウェイト下限2.5gを下回る2.4gからキャストしてみたが、これがビックリ普通にコントロールできる。
なんなら2gでも大丈夫な印象を受けた。
もしB64MLかB79MHのどっちか1本に絞るなら、レングスと実質的な対応幅の広さからB79に軍配が上がるだろう。
多分実際によく売れているのもB79MHだと思う。
欲を言えば、83か86くらいのレングスが欲しいくらい。
B79MHのルアーウェイト上限を試すにあたって、リールをカルコンDC101HGに交換。
21gのルアーをキャストすると、ルアー放出後にもっさりとしたティップの震えを感じ、振り抜きの仕方次第ではラインに干渉してバックラッシュをしかねないと感じた。
B79MHの場合、一番気持ちよく振り抜けるルアーウェイトは15g前後だと感じた。
今回はルアーの試し投げであり、十分なほど魚を掛けたわけではないが、スパイラルガイドによる魚とのファイトのし易さは通常のベイトロッドのガイドセッティング以上だと思う。
スパイラルガイドが時計回りだけなので、左ハンドルの場合はネガティブな要素があるかもと思ったが、一切そんなこともなく、ハンドルの位置は気にしなくても良さそうだ。
(スパイラルガイドの場合、右ハンドルなら時計周りのガイドセッティング、左ハンドルなら反時計回りのガイドセッティングが望ましいという話を聴いたことがある)