今回は「ボーダレス雪国ハウス」を楽しむ小林 悠さんファミリーをご紹介! 庭とリビングが…つながっている!?
夢のキャンパーズ・ハウスが形になっていた!
会社員 小林 悠さんファミリー
アウトドアブランド・スノーピークへの転職を機に一家で新潟県三条市へ移住。680坪の広大な土地を買い、「外を楽しむための家」をコンセプトとした半平屋の家を建て、ヤギと鶏を飼う。
雪化粧した庭とリビングを自由に行き来する子供たち。ひと通り遊んだら日差しの下で寝る。暖冬とはいえ、まだ厳冬の1月半ば。家と外の垣根をぶっ壊す行動範囲の根源は、広いウッドデッキにあった。
10年前、悠さんがスノーピークへ転職したのを機に、神奈川県から新潟県三条市へ移り住んだ小林家。680坪という広大な土地を購入し、県産杉を用いて『外を楽しむための家』というコンセプトで家を建てた。
大きな窓を開け放つと、日本百低山・弥彦山が鎮座する越後平野とウッドデッキ、リビングが地続きでつながっている開放感。子供たちが駆け出すのも無理はない。しかも上の子ふたりは北欧発祥の自然体験を重視した幼児教育『森のようちえん』の卒園生ときた。園舎を持たず、雪の日も毎日森で過ごしてきたのだから、なるほど納得。
1階にLDKと寝室、水回りなど家のおもな機能を集約し、2階には子供部屋と収納スペースを設けた半平屋の間取り。扉は設けず、巨大ワンルームのような堂々とした佇まいである。
「山小屋風の外観から、ワイルドな暮らしを連想されがちですが、実はオール電化の高機密住宅です。年中エアコン1台で全館空調。真冬に薄着で外へ出て後悔すること、しばしばです」
勝手口が備わる土間にはテントやタープが棚に収納されていた。アウトドアに熱心な家族にしては、モノが少なすぎる!
「大半のキャンプ道具は、居住空間に溶け込むように部屋のあちこちに配置し、日常的に使っているからでしょうか」
鍋やケトルにこびり付いた黒光りしたススが、そんなライフスタイルを物語っていた。
「キャンプへ行くにも準備と片付けがラクで、日ごろから使い慣れているので作業がスムーズ」
ヤギのヨモギが「誰?」と顔を出す小屋は悠さんの力作だ。
「除草のために飼い始めましたが、全然追いつきませんね」
鶏2羽は、卵を毎日食卓へ提供する働き者。野菜などの生ゴミは、彼らの餌となり、糞尿は畑やハーブガーデンの肥やしとなって大地を循環する。
「客人は小屋の横に張ったテントに寝てもらってます(笑)」
命あるものが支え合って衣食住を共有する。理想とする地球のような棲家であった。
小林家の未来理想図(悠さん作)
野菜を育てる温室やビオトープ、ゲストハウスなど、自ら手がけたい将来像を俯瞰イラストに。「植えた木が大きくなるのが楽しみ」
WOOD DECK
家と外をつなぐわが家の核心部半外空間
雪で白く染まった庭に浮かぶウッドデッキでランチ。
デッキに薪ストーブを設置し、炎を楽しみながら小型ダッチオーブン、コロダッチで調理。
デッキの壁にはすぐ使えるよう焚き火台や薪割り斧などがかけられる。誰もが整理しやすいようにチョークで道具名を書く工夫も。
LIVING KITCHEN
モノを家でも外でも使う=暮らしがシンプルに
リビングの2階部分は吹き抜け。テーブルやチェアはキャンプ道具を愛用。「来客時に増やせるのがいい」
デッキと床の段差がないよ
キッチンの壁に整理されたお玉、トングなどは内外兼用のスノピ製品。IHコンロの横にキャンプ用ガスバーナーを埋め込める。
スタッキングして場所をとらないステンレス製テーブルウェアは内でも外でも大活躍。
ナイフ類も内外兼用。パン切り包丁は悠さんが開発に携わった思い出の品。
棚に置かれた鍋もコーヒーケトルもススけて、温かみがある質感に。
SHARED SPACE
みんなが自由に使える共有スペース
里くん作の昆虫フィギュア。
工作や絵を描いたりする2階の作業部屋。屋根裏部屋のような空間が創作意欲をそそる?
使い方十人十色な1階スタディーコーナー。角に面して明るい。
キャンプ用品を収納する土間玄関。
CAMP LIFE
家に居ながらにして毎日がキャンプ
シンクと一体型のダイニングテーブルは、キッチンに立つ人と、食べる人が一緒に過ごせる。みんなで調理するキッチンテーブルにも。
ウッドデッキから見たリビングで過ごす家族の様子。左から小林悠さん、歩野さん(11歳)、梨絵さん、あさちゃん(2歳)、里くん(8歳)。
父が開発に携わったパン切り包丁でフォカッチャを切り分ける里くん。ウッドデッキの後押しで、アウトドア魂は受け継がれる!
薪ストーブはマウントスミの3面ガラスモデルを愛用。「炎が3面から漏れて、明るく、焚き火をしているようなストーブです」
2歳のあさちゃんもお手伝い。手にするお玉はスノーピーク製品。野生味の強い姉兄に揉まれ、愛され、アウトドア英才教育中だ。
ANIMAL
ヤギと鶏でゴミを出さない循環型生活
庭のヤギ小屋は悠さんがDIYで建てたもの。かつては数頭いたこともあったが、いまはヨモギ1頭だけ。奥の堆肥場で糞尿と敷きわら、腐葉土を発酵させて畑の肥料に。
かわいいでしょ?
小屋はとうちゃんの力作
横斑プリマスロックの雌鶏を2羽放し飼い。冬でも毎日卵を産んでくれる。肉をいただくことを考えて、あえて名前はつけていない。
鶏小屋も悠さんの大工仕事によるもの。「作れるものはなんでも作る」が小林流。卵は裏の開閉パネルから取り出す。
小林さんファミリーの おウチPOINT
1 家と外をシームレスな空間に
2 生ゴミを出さない循環型ハウス
3 必要なものは自分で作る
※構成/森山伸也 撮影/大森千歳
(BE-PAL 2024年3月号より)