キャンプ用ナイフのお手入れ方法
キャンプ用ナイフを使った後のお手入れ方法を解説します。基本的な考え方としては、ナイフは湿気に弱いので、とにかく湿気を取ることが重要です。
お手入れ方法
お湯で洗った後はしっかり乾燥させる
まずは中性洗剤で汚れをよく落としましょう。その後は約60度Cのお湯で3〜5分洗い流します。給湯器がある場合は温度調節ができますが、給湯器がない場合は沸騰させたあとに少しだけ冷ました程度の温度と覚えておきましょう。
洗い終わったら、よく乾かすことが重要です。乾いた布でふき取ると良いでしょう。折りたたみナイフの場合は、接続部分もしっかりと水分を拭き取ります。
なお、乾燥と殺菌を兼ねてナイフを火であぶる人がいますが、これはNGです。ナイフをあぶると、切れ味が著しく落ちてしまいます。殺菌をしたい場合は、熱湯で消毒しましょう。
さび対策に防錆用オイルを塗る
刃物は放っておくと、切れ味が落ちてしまいます。そのため、一つのナイフを長く使うためには、さび対策が必要です。さび対策には、ツバキ油やオリーブオイルを薄く塗るのがおすすめです。いずれも自宅にない場合は、サラダ油などの植物性の油でも代用できます。
ツバキ油やオリーブオイルは、乾燥しても固まらないことが特徴です。サラダ油は長期間放置するとベタつき、酸化するとさびの原因になるので、1か月から3か月に1回はお手入れをするようにしましょう。なお、ステンレスの場合、油を塗布する必要はありません。
鞘もよく乾かすことが重要
ナイフを洗った後は、鞘もよく乾かすことが重要です。特に革や木でできた鞘の場合は、水分が残ったままだと刃のさびの原因になります。木の鞘が汚れたときは、鞘自体も洗って乾かしましょう。
木はやがて腐ってしまうので、長持ちさせたい場合は購入直後にワックスを塗ったり、アマニ油でお手入れをしたりするのがおすすめです。
なお、ナイフと鞘は別々に保管することが望ましいですが、樹脂やナイロン製の鞘の場合は、基本的に鞘に入れたままで問題はありません。
キャンプ用ナイフの保管方法
キャンプのときに使うナイフは、どのように保管すれば良いのでしょうか。ナイフを長期間保管するときの方法を解説します。
防錆紙や新聞紙に包んで保管する
ナイフを鞘に入れたまま保管することはおすすめできません。ナイフ本体は防錆紙(ぼうせいし)に包み、刃がむき出しにならないよう注意しながら保管しましょう。防錆紙がない場合は、新聞紙でも代用が可能です。
保管場所については、直射日光が当たらず、湿気の少ないところに置いておきましょう。防錆紙の効果は半年から1年程度で切れるため、頃合いを見て取り替えるのがポイントです。
ナイフの研ぎ方
ナイフの切れ味を保つには、適切なお手入れだけでなく、定期的な研ぎ直しも大切です。ナイフの研ぎ方を解説するので、お気に入りのナイフを研いでみましょう。
覚えておきたいナイフの研ぎ方
お手入れ前に用意するもの
ナイフを研ぐときは、以下のアイテムを用意しましょう。
- 中砥石#1000
- 仕上げ砥石#3000
- 霧吹き
- タオル
- ウエス(布巾)
- ツバキ油
砥石の番号は、目の粗さを表しています。数字が小さくなるほど粗く、大きくなるほど細かくなります。目の粗い砥石で研いだ後に、細かいもので研ぐのが基本です。一般的なナイフには#1000前後の中砥石がよく使われるので、初心者の場合は中砥石だけを使っても良いでしょう。
中研ぎ
まずは#1000の中砥石の下にタオルを敷き、霧吹きで砥石全体に水を吹きかけます。砥石に対して、ナイフの刃を手前から45〜60度の角度で構えましょう。ナイフを研ぐときは刃先だけが砥石に当たるくらいの角度で研ぐのがポイントです。
一度に全ての刃先を研ぐことはできないため、3か所に分けて行ないます。具体的な手順は、以下の通りです。
- 構えた角度を維持したまま、刃先の部分を上下にスライドさせて研ぐ
- 20往復を目安に、中心部を研ぐ
- 同様に、刃元も研ぐ
- 表が研ぎ終わったら、裏も同様の手順で研ぐ
きちんと研げていると、『かえり』と呼ばれる削りかすが付いています。『かえり』が付いていない場合は研ぎ直してみましょう。
仕上げ研ぎ
仕上げ研ぎの手順は、中研ぎと変わりません。#3000の砥石に入れ替え、表裏ともに『刃先→中心部→刃元』の順に研いでいきましょう。なお、表から裏に移るときは、砥石の面を入れ替えることで、片方だけが減りすぎるといったことを防げます。
研ぎ終わったらかえりを取り、仕上がり具合を確かめましょう。紙を切ってみて、スムーズに切れたら成功です。研ぎ終わったらツバキ油を塗り、これまで解説した方法で保管しましょう。
まとめ
キャンプ用のナイフは頻繁に使うものではないので、使わないときのお手入れが寿命を左右します。ナイフは湿気に弱いので、まずは水分から遠ざけることを意識しましょう。
切れ味を落としたくない場合は、ツバキ油やオリーブオイルを塗るのがおすすめです。保管するときは本体を防錆紙や新聞紙に包み、鞘とは別で保管するのがポイントです。この記事を参考に、お気に入りのナイフを長持ちさせましょう。