ウェザーニューズ2機目の専用超小型衛星で世界の海氷や台風・火山灰を観測
株式会社アクセルスペース(本社:東京都中央区、代表取締役:中村友哉)が株式会社ウェザーニューズと共同で開発してまいりました気象・海象観測超小型衛星「WNISAT-1R」について、2017年7月14日06:36(UTC)(日本時間同日15:36)に主衛星Kanopus 1機と、本衛星を含む他72機の小型衛星とともにカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げが行われました。また、衛星の最初の日本上空通過時(日本時間同日22:24-22:36)に信号の受信に成功しました。現在、搭載各機器の状況を確認する初期運用を実施中です。
参考:WNISAT-1R概要
WNISAT-1Rは光学カメラによる気象・海象観測を主な目的とした質量43kgの超小型衛星です。冬場の渤海(中国)・セントローレンス湾(カナダ)や夏季の北極海を通航する船会社に対し最適な航路情報を提供するためには、海氷分布を高頻度に知ることが必要です。これを実現するためには世界中の海氷を観測する衛星を開発することが最も効果的であると判断されたことから、WNISAT-1Rプロジェクトが計画されました。本衛星は2013年に打ち上げたWNISAT-1で獲得した技術を継承・発展させ、アクセルスペースとウェザーニューズが共同で開発したものです。なお、WNISAT-1Rはメインミッションである各地海氷の光学観測に加え、「光学カメラによる台風・活動中の火山などの観測」「GPS等の測位衛星から放射される電波(マイクロ波)が地表で反射して戻ってくる波を観測することで地表の状態を推定するGNSS-R (Global Navigation Satellite System – Reflectometry) (注 1) 」をミッションとしています。
ロケットに搭載されたWNISAT-1R
用語解説
(注1) GNSS:Global Navigation Satellite System(全地球型航法衛星システム)の略。
米国により開発・運用されているGPSの他、ロシアのGLONASSや欧州のGalileoなどもGNSSの一種。
(注2) パンクロマティック(Panchromatic)の略で、本衛星では可視波長域全域に感度を持たせたバンドのことを指す。