エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 後編
公開 : 2024.10.27 18:25
発売当初はごく一般的だが、後にエンジンを換装したことで大きく様変わりしてしまったクルマを31台紹介する。性能が大幅にアップしたり、市場ニーズに合ったキャラクターへ成熟したりと、さまざまな違いが見られる。
もくじ
ーマツダCX-7
ーメルセデス・ベンツAクラス
ーメルセデス・ベンツRクラス
ーMGB
ールノー6
ールノー・クリオ・ルノー・スポール
ーサーブ96
ーサンビーム・アルパイン
ーバンデン・プラ・プリンセス
ーヴォグゾール・カールトン
ーフォルクスワーゲン・ゴルフR
ーフォルクスワーゲン・パサート
ーフォルクスワーゲン・トゥアレグ
ーモーリス・マイナー
ータルボ・サンビーム
ーオペル・シェベット
マツダCX-7
(翻訳者注:この記事は後編です。前編とあわせてお楽しみください)
パワフルなガソリンエンジンを低出力のディーゼルに換装するのは、一見ネガティブな出来事のように思われる。しかし、英国仕様のマツダCX-7の場合は正しい決断だった。
英国仕様のCX-7には当初、高性能モデルのマツダ3 MPS(日本名:マツダスピード・アクセラ)やマツダ6 MPS(同:マツダスピード・アテンザ)と同じ最高出力238psの2.3L直4ガソリンエンジンが搭載されていた。欧州仕様ではこれと並んで、2.2L直4ターボディーゼルも用意されていたが、英国では日本と同じようにガソリンしか設定されていなかった。
ただ、2.3Lガソリンはスポーティだが燃費が悪く、販売の足を引っ張っていた。そのため、発売から2年後の2009年に英国向けラインナップから外され、欧州と同じ2.2Lディーゼルが導入された。車両価格は上がり、驚くことに最高出力も85psほど低下してしまったが、減税の対象となり、燃費も約4km/l(公称値)改善された。その結果、現地のニーズに見合ったモデルに生まれ変わったのである。
メルセデス・ベンツAクラス
第3世代のAクラスでは、ほとんどのモデルに最高出力100〜210psの複数のエンジンが搭載されている。しかし、発売から1年後、四輪駆動のA 45 AMG(後にメルセデスAMG A 45に改称)が導入された。
その直進加速性能は飛躍的に向上した。最高出力は70%アップの360psに達したが、さらに改良が加えられていき、最終的に381psにまで上昇した。現行世代でAクラスでの最速のモデルは、型こそ違うものの最高出力421psを発生する4気筒エンジンを使用している。
メルセデス・ベンツRクラス
「あらゆる製品にあらゆるエンジンを搭載する」というメルセデス・ベンツの矜持に従い、大型ミニバンのRクラスにも、最高出力510psの6.2L V8エンジンを搭載するR 63 AMGが導入された。標準車の発売から1年後、2007年のことである。
確かに、人や荷物をたくさん載せるミニバンにはパワフルなエンジンがうってつけだが、こればかりは類を見ない試みだった。R 63 AMGでは、必要とされるパワーをはるかに上回っていた。販売台数はごくわずかで、あっという間にカタログから姿を消した。
MGB
1962年にMGBロードスターが発売され、その3年後にMGB GTと呼ばれるクーペバージョンが登場した。さらなる高性能化を目指し、まずは2.9L直6エンジンを搭載したMGCというモデルが発売されたが、満足のいくものではなく、わずか2年で廃止されてしまう。
1973年に2度目の挑戦が行われた。今度はビュイック由来の3.5Lローバー・エンジンを採用し、MGB GT V8を誕生させた。結局は短命に終わってしまったが、誰もが認める高性能モデルであった。
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