ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、苛烈環境下での大規模実証開始|株式会社マクニカのプレスリリース

ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、苛烈環境下での大規模実...

ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、苛烈環境下での大規模実証開始

~「横浜港大さん橋」デッキ上にて1月末まで実証~

株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、次世代型太陽電池として世界中で注目される、軽い・薄い・曲がる、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証を、横浜市の大さん橋デッキ上にて開始しました。この実証事業は、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた課題の一つである「耐久性」と容易な交換を可能とする「着脱方法」を検証するためのもので、環境省からのサポートを受け、国内でも最大規模の実証となります。

◆本実証事業について:
 今回行われる「港湾などの苛烈環境におけるPSCの活用に関する技術開発(委託)」は、環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択され、2023年度より3年間の技術開発・実証事業を実施しています。本事業は、ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授の指導の下、マクニカが代表事業者として、共同実施者であるペクセル・テクノロジーズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:宮坂力)、薄膜加工技術を有し、ペロブスカイトの製造を担当する株式会社麗光(本社:京都府京都市、代表取締役社長:岩井順一、以下麗光)との3社で推進しています。

◆今回の実証について:
2023年度は、重塩害環境下でのPSCモジュールの開発を進め、大さん橋実証では発電効率10%以上を実現し、塩害調査と併せてPSC稼働システムの実証を行いました。
2024年度は、PSCモジュールのさらなる高効率化と容量の拡大対応を進めると同時に、量産化を実現する生産方式(RtoR*)でのPSCモジュールの製造技術開発を進めています。今回の大さん橋実証では、RtoR方式にて製造したPSCモジュールで非常用電源電力サイズのシステムを構築し、海風の強い重塩害環境である大さん橋デッキ上にて、屋外でのPSC発電システムの稼働実証を行います。また、開発を進めている数種類のPSCモジュールの検証と併せ、実用化を見越したシステム構成の検証・実証も同時に行います。今回の実証では、フィルム形態のPSCモジュールの交換可能な装着方法の検証を行います。

【本実験の概要】

■期間: 11月12日~1月31日
■場所: 横浜港大さん橋国際客船ターミナル屋上広場
■特性:
① 大容量(30㎝×1mサイズを最終的に80枚程装着予定)での屋外ペロブスカイト実証を実施 
  - 種類の異なるペロブスカイトモジュールを順次設置し比較検証を行う
  - 発電容量は最終形態で1kw程度予定
② 耐久性の確認として、3か月前後の屋外での塩害、風害に対応する封止構成、フィルム耐久性
③ ペロブスカイトモジュールを交換容易とする新規装着方法の実装とテストを実施


*RtoR(Roll to Roll):ロール状に巻かれた材料から生産ラインに連続的に材料を供給・処理を行い、ロール状に巻き取って製品とする生産手法。切れ目なく安定した加工ができることから、低コスト、大量生産、安定処理など非常に生産性の高い方式。
(参考)本件に関連する過去の報道発表
https://www.macnica.co.jp/public-relations/news/2023/144306/


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株式会社マクニカについて

マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界26か国/地域92拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
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