「海苔がパリパリと…」「隣の弁当で吐き気が…」 先輩たちが語る、受験当日の「NG弁当」【後編】 | 朝日新聞Thinkキャンパス

■大学受験のバトン・先輩の失敗から学ぶ

大学受験当日のお弁当に、親への感謝を感じた受験生が多かったことがわかった「前編」に続き、先輩受験生631人へのアンケートからリアルな声を紹介する「後編」です。受験当日のお弁当として失敗のメニューや、実力を出せるために気をつけるといい10のポイントをお伝えします。学習管理アプリ「Studyplus」運営会社のスタディプラスの協力のもとで行ったアンケート結果です。(写真=朝日新聞Thinkキャンパス編集部)

NGなメニューは?「におい」と「音」には要注意

受験当日のお弁当(昼食)として、失敗だったものはあるのでしょうか。

ただでさえ神経質になりがちな受験当日。目立ったのは、海苔のパリッという音やにおいなどに、いつも以上に敏感になっていることがうかがえるコメントでした。一方、箸やお手ふきなどの忘れ物のほか、入試会場の近くでお弁当を買うつもりが売り切れだったという声が少なくありません。当日に余計な緊張を味わわなくて済むよう、先輩の失敗を参考に、親子で情報共有しておくといいかもしれません。

■パリパリの海苔は散らかる
・おにぎりの海苔がパラパラと落ちて、隣の人と気まずい雰囲気になった(清泉女子大学文学部3年)
・机におにぎりの海苔が落ちて汚くなってしまった(千葉大学園芸学部2年)
・パリパリ系の海苔は片付けが大変だった(上智大学外国語学部1年)

■音がする食材は恥ずかしい
・海苔のパリパリ音に周りからの目を少し気にした(神奈川歯科大学歯学部1年)
・会場が静かできゅうりを食べる音が響いて恥ずかしかった(西南学院大学外国語学部)

■においが気になった
・唐揚げのにおいが強かったため、周囲に迷惑になっていないか不安だった(千葉大学法政経学部1年)
・隣の人の弁当のにおいが強烈で、吐き気がした(東洋英和女学院大学人間科学部1年)

■量が多すぎた
・豪華なお弁当だったが、緊張のためあまり食べられなかったのが残念だった(東京医科歯科大学医学部5年)
・緊張で腹痛だったため食べきれなかった(信州大学経法学部1年)
・量が多いと眠たくなってしまうので、少なめにしてもらうか小分けにしてもらえばよかった(青山学院大学3年)

■そのほか
・母が箸を入れ忘れたため、危うく食べられないところだった(大阪市立大学経済学部3年)
・お手ふきを入れておけばよかったと後悔した(松山大学経営学部3年)
・ドレッシングがこぼれてびしゃびしゃになってしまった(広島大学医学部1年)
・試験会場付近のコンビニはどのジャンルも売り切れていた(東北大学経済学部)

受験本番のお弁当 10のポイント

受験本番を経験してわかった、当日のお弁当のポイントについて、多かった声をまとめて紹介します。つい気合を入れたお弁当を用意しなくてはいけないような気になりますが、慣れない環境の中では、食べ慣れた味や好きなものこそ最高の応援になるようです。

1.食べ慣れた味こそ、安心感のもと
・非日常の状態で心が休まらないと思うので、食べ慣れているものがよい(九州大学教育学部1年)
・模試を受けるときに食べるようなものがいいです。当日は慣れた環境をつくることが大切(大阪大学医学部4年)
・気合を入れた弁当ではなく、食べ慣れているものを。いつも通りの実力が出せると思う(国学院大学文学部)

2.片手でパッと食べられるもの
・おにぎりやサンドイッチがあると、片手で参考書を持って復習できる(東京工業大学物質理工学院1年)
・休憩時間中も勉強したいのなら、片手で食べられるものがいい(愛知大学文学部1年)

3.量の調整ができるとなお良し
・小さいおにぎりいくつかとおかずのように、量を調整できるお弁当がいい(都留文科大学文学部1年)
・チョコレートなど、おなかや頭の状態によって調節できるような間食をいくつか持っているといいと思います!(京都大学3年)

4.リラックスには温かいものを
・可能なら、温かいもの。温まると気持ちも落ち着くので、良かったです(茨城県立医療大学保健医療学部4年)
・緊張で食欲がなくなる人は、小さめのおにぎりと、温かいお茶を水筒に入れて持っていくことをおすすめします(龍谷大学文学部3年)

5.食べすぎ注意! 小分けにするのも手
・食べすぎて昼食後の教科がおろそかになってしまうのは良くないので、おなかがいっぱいになるまで食べるのはやめたほうがいい(京都女子大学文学部2年)

6.休憩時間に食べられるものをプラス
・電車が遅延していると午後まで試験があったりするので、パンやおにぎりを買っておくといい(武庫川女子大学薬学部1年)
・受験は長丁場になるので、昼食と小さめのおにぎり数個を持って行くのをおすすめします(福島大学行政政策学類2年)
・休憩時間のリフレッシュ用に昼食とは別に甘いものを。切り替えにもなるし、楽しみにもなるし、元気になります(東京大学前期教養学部1年)

7.緊張対策やエネルギー補給に、のどごしのいいゼリーなども
・ゼリーなど、緊張しても簡単に飲み込めるものを何パターンか持っておくのもあり(琉球大学国際地域創造学部1年)
・昼食のほかに、すぐにエネルギーをチャージできるようにゼリー飲料を持っていきました(明治薬科大学薬学部3年)

8.胃もたれしそうなものは避ける
・多かれ少なかれ緊張しているので、消化に優しいものを!(法政大学1年)
・試験当日は胃腸の働きが悪くなって、胃もたれしました(久留米大学医学部1年)

9.音とにおいには要注意
・コンビニでご飯を買ってきた人のレジ袋のガサガサ音が気になった(近畿大学生物理工学部1年)
・試験会場が休憩中も静寂な環境だったため、周りに気を使って音を最小限にして食べた(千葉工業大学3年)
・周りの人のお弁当のにおいと混ざって気持ち悪くなった(立教大学観光学部1年)

10.一番は好きなものを!
・好きなご飯を食べて! 食べないと頭が回らなくなるから食欲がないときでも食べられるものを探しておいたほうがいいかもしれません(昭和大学薬学部1年)
・食べ慣れているものがいいと思います! お昼は唯一ゆっくりできる時間なのでおいしいものとか好きなものとかを持って行って心を落ち着かせましょう!(東北大学医学部1年)

受験本番、実力が出せるようにサポートを

受験を経験した先輩たちの声からわかったのは、昼食のお弁当は単なる栄養補給ではなく、気持ちの安定につながった人が多いということでした。大学受験当日、お弁当の準備こそ、保護者にできる数少ないことの一つです。先輩受験生の声などを参考にしながら、本番で力を出し切れるよう、保護者もできる範囲でサポートをしてあげたいものです。

>>「いつも通りのお弁当と母の手紙」…泣けた 緊張の受験当日、先輩たちはなにを食べた?【前編】

>>大学受験で必勝のお弁当とは? 料理研究家・渡辺あきこさんに聞く

(文=竹倉玲子、写真=朝日新聞Thinkキャンパス編集部、協力=スタディプラス)

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