受験生の体調を整える　風味豊かで野菜もタンパク質も取れる「セロリチャーハン」

■受験生応援レシピ

受験生の娘を持つ料理研究家の滝村雅晴さん。「体調を崩すことなく、大学受験を乗り越えてもらいたい」と、娘のために最近よく作るのが「セロリチャーハン」です。野菜とご飯、タンパク質が一度に取れて、お財布にもやさしい一品です。

栄養はもちろん、おいしさアップに外せないセロリ

滝村家では、お子さんの大学受験が数カ月先に迫ってきました。家庭の様子を聞くと、「いつもと変わらない日常生活のままです」と言います。

「受験で一番プレッシャーがかかっているのは、本人です。周囲があれこれ聞いたり、ピリピリした空気を醸し出したりすれば、本人にとってストレスになると思うんですね。だからどんなに心配していたとしても、 保護者はそんな素振りを出さない。これが大事かなと思います」

その娘さんは、母親とオープンキャンパスのことなど、大学についてよく話しているそうです。でもそんな母娘の会話に父親が参加することは、滝村家ではめったにありません。それは、大人と子どもが2対1になって、「子どもの逃げ場がなくなる」のを心配してのことです。

そんな滝村さんが、ますます気をつけるようにしているのが、家族の体調管理です。数カ月後の試験日に体調が万全に整うよう、日々の料理のメニューの組み立ても少しずつ意識するようになってきました。滝村家で最近よく作るメニューが、今回紹介する「セロリチャーハン」です。

栄養も、風味も。そんなセロリを使い切る

チャーハンの具材は一期一会。ニンニクやショウガなどの香味野菜などもその都度、工夫するので、まったく同じ素材を使ったチャーハンを作ることは、まずありません。その中でチャーハンが少しだけ洋風な味わいにランクアップするセロリは、調味料として加わることが多いといいます。

「セロリはビタミンが豊富で、栄養価が高い野菜として知られています。セロリのメリットは、何と言っても料理にプラスアルファの味わいを加えてくれるところ。普通の料理なのに、いつもと違うな、おいしいなと思わせる優秀な自然の調味料かもしれません。見切り品として格安で売られていることもあり、家計に優しいこともありがたいです。セロリチャーハンは、ご飯もあれば、野菜もあって、タンパク質も取れます。栄養バランスを取りやすく、さっと食べられて、受験生にぴったりの一品だと思います。セロリのお陰か、何度食べても飽きません」

調味料を足して味変（あじへん）も手軽です。滝村さんのお子さんがお気に入りのちょい足しは、ラー油です。

「僕のブログで紹介しているレシピには、『アト辛大人味』というひと言情報が加えられています。これは子どもが辛いものを食べられないので、大人があとから加えて辛みを増すことができる調味料のこと。それが今では子どもが『マヨラー』みたいに、辛めの調味料であるラー油をあとから足して使うようになったんです。我が家ではものすごい勢いで、ラー油が減るようになりました」

受験が近づくお子さんのために、今日もパパはセロリチャーハンのフライパンを振っています。

■レシピ

（3人分｜15分）

＜材料＞

ごはん…300～350g

セロリ…1本

ツナ缶…1缶

卵…2個

にんにく…2かけ

オリーブオイル…大さじ2

[A]

塩…少々

こしょう…少々

鶏がらスープの素…小さじ2

しょうゆ…小さじ2

酒…大さじ1

白ごま…少々

＜作り方＞

（1）セロリとにんにくは薄切りに。卵は割って溶き、ごはんは温めておく。

（2）フライパンを火にかけ、オリーブオイルとにんにくを入れる。香りがたってきたら、卵とごはんを同時に入れて手早く炒める。セロリと、ツナを缶のオイルごと入れて強めの中火で炒める。

（3）フライパンに[A]を順に加えて炒め、味を調えて出来上がり。白ごまをかける。お好みでラー油をかける。

滝村雅晴（たきむら・まさはる）／1970年、京都府生まれ。立命館大学卒業。株式会社ビストロパパ代表取締役。長女の誕生をきっかけに料理に目覚め、家族のために作る料理を「パパ料理」と定義し、2009年に独立起業。男性の家事参画を通した女性の社会進出を進めるため全国で料理教室講師、講演、研修などの活動を始める。20年からオンライン料理教室を毎週末開催中。著書に『ママと子どもに作ってあげたい　パパごはん』（マガジンハウス）など。

（文＝福光恵、写真＝ビストロパパ提供）