「偏差値に振り回されないで」 東大医学部卒Youtuberが語る「もったいない行動」 | 朝日新聞Thinkキャンパス

「偏差値に振り回されないで」 東大医学部卒Youtuberが語る「もったいない行動」

2023/04/20

大学受験を意識すると、気になってくるのが「偏差値」です。地方公立高校から東京大学に現役合格し、現在は教育系YouTuberとして活躍する宇佐見天彗(うさみ・すばる)さんは、「高校入学時は学年で最下位だった」そう。偏差値との上手な付き合い方を教えてもらいます。(写真=朝日新聞社)

【相談】
最近受けた模試の結果があまり良くなく、志望校の偏差値に届いていません。偏差値はいつから、どれくらい参考にすればいいものですか。(高2男子)

【回答】
私自身、東大合格までの受験生活を振り返ると、偏差値や志望校の判定といった客観的数値は常に意識していました。偏差値は、今の自分の実力を客観的に捉えるための指標。「受験生全体の中で自分はどのくらいの位置にいるのか」「今度は何を頑張ればいいか」を教えてくれます。

私が最初に偏差値を意識したのは、高校1年の時でした。良くても悪くても結果と向き合い、勉強の計画に役立てることが大切だと思うので、早くから意識した方がいいと思います。

では、私がどのように偏差値を参考にしていたかを説明しましょう。模試を受けるに当たって、全科目とも完璧に準備することは難しいと思います。もちろんそうできれば一番いいのですが、時間も労力も限られていますので、私は模試ごとに「優先する科目」と「捨てる科目」を決めていました。例えば今回は数学を優先して勉強して、国語は手を付けない、といった具合です。

その結果として、「捨てた科目」で低い偏差値が出るのはある意味、当然です。この偏差値は気にしないことにしました。しかし、しっかりと準備して臨んだ「優先する科目」で満足のいく偏差値が出せなかったら、それは問題です。どこでミスをしたのかを徹底的に分析し、その後の勉強の計画を見直しました。

偏差値とは、数字に一喜一憂するものではなく、自分なりに活用するものだと私は思っています。もし低い偏差値が出て、ショックでモチベーションが下がってしまうとしたら……厳しいことを言うようですが、それは合格への「覚悟」が足りていないのかもしれません。覚悟というと、何だか「熱血な感じ」がするかもしれませんが、要するに志望校へどれだけ熱い思いを抱いているか、ということです。「あの大学に絶対に入るんだ」という覚悟があれば、悪い結果に引きずられている暇はないはずです。

私はこれまで多くの受験生と関わる機会がありましたが、残念ながら偏差値に振り回されてしまうケースをいくつも目にしてきました。「この偏差値ではA大学はダメそうだから、B大学に変えようかな」と、自らランクを下げてしまうのです。一度ランクを下げると、悪い結果が出るたびにどんどん下げてしまう。最後には「入れればどこでもいい」となってしまった受験生もいました。

偏差値に一喜一憂して志望校を下げた揚げ句、最初は希望すらしていなかった大学に入るのは、もったいないと思いませんか? 結局のところ、偏差値の捉え方には受験に対する姿勢が表れているのかもしれません。偏差値に振り回されるのではなく、ぜひ自分なりに上手に活用してみてほしいと思います。

【回答者】
宇佐見天彗(うさみ・すばる)/1996年香川県生まれ。高校入学時の成績は最下位だったが、戦略を立てて勉強した結果、東京大学に現役合格。自身の経験や「地方と都会の教育格差を是正したい」という思いから、現在はYouTubeを通して勉強法や受験戦略を発信している。著書に『東大現役合格→トップ成績で医学部に進学した僕の超戦略的勉強法』(KADOKAWA)。

1pxの透明画像

記事のご感想

記事を気に入った方は
「いいね!」をお願いします

今後の記事の品質アップのため、人気のテーマを集計しています。

関連記事

注目コンテンツ

お悩み

入試

調べて!編集部

NEWS