「大学入学共通テスト」、センター試験との違いは? | 朝日新聞Thinkキャンパス

「大学入学共通テスト」、センター試験との違いは?

2023/04/20

■大学受験の基礎知識

2021年度入試からスタートした「大学入学共通テスト」。それまでの大学入試センター試験とはどのように異なるのか、問題の難度は上がっているのかなど、気になる点は多いでしょう。試験教科や利用方法、スケジュールなどの基本から、センター試験とは異なる問題の傾向について解説します。(写真=2023年の大学入学共通テスト、福岡市の九州大伊都キャンパス/朝日新聞社)

私立大の約9割が共通テスト利用

大学入学共通テストは、国公立、私立の各大学などを会場に、大学入試センターが、全国一斉に同じ試験問題で実施するテストです。国公立大の一般選抜では必須のテストで、大学ごとに実施される2次試験の前に受ける1次試験という位置づけになります。私立大でも約9割の大学が共通テストを利用した入試方法を採用しており、共通テストの点数だけで合否が決まるのが一般的です。一部の大学では、国公立大のように個別試験と併用した方式を導入しています。また、学校推薦型選抜や総合型選抜の選考に共通テストを課す大学もあります。

出願期間は、9月下旬から10月上旬ごろ。高校在学中であれば学校経由での出願となります。試験日は、例年1月中旬の土日2日間で、全国各地で実施されます。高校在学中の場合、学校が所在する試験地区内の試験場が会場となります。

志望大学への出願は、国公立大の場合、共通テストの約1週間後から始まります。試験後に解答と配点が公表されるため、自己採点をもとに出願する大学・学部を決めていきます。一方、私立大の共通テスト利用入試は、多くが実施前の出願となり、複数の大学に出願することができます。また、共通テスト後に出願できる大学もあります。

出題科目は全部で6教科30科目ありますが、その中から各大学・学部が必要な教科・科目を指定します。国公立大学は5教科7科目、私立大の共通テスト利用は個別試験と同様に3教科が一般的ですが、4教科、5教科を課す大学もあります。

英語の配点はリスニングが100点に

共通テストは1990年度から実施されてきたセンター試験に代わり、2021年度入試から実施されました。高校における基礎的な学習達成の程度を判定することを目的としている点はセンター試験と同様で、また、解答方法も同じくマークシート方式です。では、どのような点が変わったのでしょうか。代々木ゼミナール教育事業管理本部本部長の佐藤雄太郎さんはこう話します。

「大幅に変わったのは英語の配点です。センター試験は筆記200点、リスニング50点でしたが、共通テストはリーディング100点、リスニング100点となり、より実践的な英語力が求められるようになりました(配点比は大学によって異なる)」

(※ 2023年の■は得点調整後の平均点。代々木ゼミナール提供資料「大学入試関連資料」から)

問題の内容としては、センター試験に比べて、思考力や判断力が問われる傾向が強くなっています。

「センター試験は正しい箇所、もしくは誤っている箇所を探し出す正誤問題が中心でした。共通テストはそれに加えて授業の場面や会話、レポートなどから必要な情報をピックアップして解答するような、活用力や思考力が求められる問題が増えています」(代々木ゼミナール・佐藤さん)

こうした変化によって、知識を求められる問題が中心となる私立大の個別試験とは、問題の傾向が大きく異なってきています。大学通信 情報調査・編集部部長の井沢秀さんはこう話します。

「共通テストは、例えば数学では長文を読解した上で計算する問題など、複数の教科をまたいだ学力が問われます。私立大の試験対策だけでは歯が立たず、今後は共通テストを利用する私立大受験者が減っていくのではないかという見解もあります」

2025年度からは新しい学習指導要領に基づく試験となり、新たに「情報」が加わるなどの大きな変更点があります。大学入試センターのホームページでは2025年度共通テストの試作問題が公開されているので、チェックしてみるのもおすすめです。

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