パーキング「最大料金」の落とし穴 駐車した弁護士「ぼったくりだ」
弁護士の山岸久朗さんは先月下旬、コインパーキングの積算金額を見て目を疑った。
「えっ? 4800円?」
初めて利用した大阪市北区の駐車場。看板には以下のような表示があった。
「午前10時~午後4時の時間内最大料金は1200円」「午後4時~午前10時の時間内最大料金は900円」
山岸さんがパーキングに車を止めたのは午前9時前後。自分の弁護士事務所などで業務を終え、駐車場に戻ったのが午後3時だった。
山岸さんの計算では、最大料金の1200円プラス1時間分で、積算金額は1800円になるはずだった。
もう一度、精算ボタンを押したが、金額はやはり4800円。
「おかしい」
小さな文字で書かれた「1回限り」
看板に書いてあった「緊急連絡先」に電話した。電話の向こうで男性がこう答えた。
「金額は間違えておりません。お支払いください」
「どんな計算でそうなるのか」と伝えると、男性はこう返した。
「25分300円って書いてあるでしょう」 看板を見たが、どこにも書いていない。
「足元に書いています」
精算機の下の方を見ると、確かに書いてあった。車からは明らかに見えにくい位置だ。
もう一度看板を見ると、小さな文字でこう書かれていた。
「最大料金は1回限りの適用となります。以降は、通常料金が加算されます」
電話口の男性による料金説明はこうだ。
まず、午前9時から10時までは時間内最大料金の900円が適用される。最大料金は1回限り適用されるので、その後は25分ごとに300円が加算され、合計は4800円になる――。
「消費者として、車から見えない位置に値段を書いたり、肝心な部分を小さな文字で記したりすることは許しがたい。ぼったくりや詐欺と一緒じゃないか」
自身が弁護士だと名乗り、「訴えようと思う」と伝えた。その後、4800円を支払い、駐車場を後にした。
「予想外の高額な金額でも、電話して解決するかもわからず、その間も料金は上がり続ける。一般的な消費者なら泣き寝入りするしかないと思います」
この駐車場の一帯はオフィスビルが立ち並び、コインパーキングの激戦区。記者は山岸さんが利用した3日後、この駐車場を訪れました。すると、すぐにある「変化」に気づきました。記事の後半でルポします。
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ことの経緯を駐車場の看板の…