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つらくて読めない?「響け!ユーフォニアム」作者・武田綾乃さんが描いた吹奏楽のリアル



トランペットソロを誰が吹くのか、夏休みの「塾優先派」と「部活専念派」の微妙な温度差…。そんな吹奏楽部のリアルな姿を描描いて小説が累計200万部超、アニメも大ヒットした「響け!ユーフォニアム」の作者武田綾乃さんに、吹奏楽の魅力や作品に込めた思いを聞きました。


武田綾乃(たけだ・あやの)さん
1992年、京都府生まれ。同志社大学文学部在学中の2013年、 日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』(宝島社文庫)で作家デビュー。 同年刊行した『響け! ユーフォニアム』(宝島社文庫)が京都アニメーションによりテレビアニメ化され大ヒット。2021年には『愛されなくても別に』で吉川英治文学新人賞を受賞。


ユーフォ? UFO? ユーフォニアムの魅力を知ってほしくて

―吹奏楽との出会いについて教えてください。

小学生のときに金管バンドで吹き始めたのが、ユーフォニアムという楽器との最初の出会いです。中学でも吹奏楽部を選び、ユーフォとチューバを吹いていました。

ユーフォは、シンプルに音がきれいで、合奏の土台もメロディーも両方できる「いいとこ取り」の楽器です。

私が作品を書き始めた当時は、吹奏楽を知らない人にはユーフォの存在があまり知られておらず、「ユーフォ吹いてるよ」と話しても、「UFO?」と聞き返されるのがお決まりでした。

この作品を書いた動機の一つに、ユーフォをもっと知ってもらいたいという思いがあったので、「あの楽器ね」と言ってくれる人が増えたことがうれしいです。

「響け!ユーフォニアム」作者の武田綾乃さん
「響け!ユーフォニアム」作者の武田綾乃さん

悩んで、ぶつかる「響け!ユーフォニアム」 リアルな人間関係があってこそ

―作品にはどんな思いが込められているのでしょうか。

みんながそれぞれの正しさのために動いて、それがぶつかりあうのがリアルな姿だと思います。それぞれの正しさを、どうしたらうまく合わせていけるのかという、現実的な妥協点を探ることをめざす話にしました。

吹奏楽コンクールに向けて真剣に曲に向き合うというのは、きっとこの後、吹奏楽を続けるにしろ、続けないにしろ、重要な一つの経験になると思うんです。そういうかけがえのない時間を大事にしてほしいなという思いもあります。吹奏楽経験者の方からは、自分の経験を思い出して辛くなる、リアルすぎて作品を読めない、アニメを見られないという意見をもらうこともありますが、でも、リアルな人間関係があってこその作品なんだと思っています。


動画では、武田さんが京都橘を取材して受けた衝撃や、吹奏楽に取り組む人たちへのエール、6月に発売された「響け!」シリーズ新刊のスピンオフ短編集などについて、たっぷり語ってもらいました。どうぞご覧ください。


武田綾乃さん新刊はスピンオフ短編集!

宝島社文庫『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のみんなの話』

発売日:2024年6月27日

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のみんなの話

京都アニメーション制作、NHK Eテレにて放送! シリーズ累計180万部を突破した“吹部”エンタメ小説の決定版! 北宇治高校吹奏楽部、久美子たちの最終学年の一年を描いた短編集がついに登場!
久美子たちは三年生となり、部長=黄前久美子、副部長=塚本秀一、 ドラムメジャー=高坂麗奈の新体制で新たな北宇治高校吹奏楽部が始動した――。
久美子を慕う奏の視点で一年を描いた物語。 大学生になった夏紀、優子、希美、みぞれの旅行を描いた「ドライブ」。 そして、次の代の幹部が決まる「旧・幹部役職会議」と新しい幹部たちの「新・幹部役職会議」。 さらには、ひょんなことから引退メンバーと現役メンバーが一緒に沖縄に行き、 演奏をすることになる中編「未来への約束」など。
アニメ3期の原作でもある本編・宝島社文庫『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編/後編』では 描かれなかった部員たちの日常やコンクール後の話など、ファン必見のエピソードが綴られます。 小説シリーズを追いかけているファンはもちろん、アニメ3期を見ていたファンにとってもたまらない一冊です。


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