「腸活」の内藤裕二氏インタビュー ヨーグルトの選び方は

「腸活」の内藤裕二氏インタビュー ヨーグルトの選び方は

内藤裕二・京都府立医科大学大学院教授に読者の「知りたいこと」聞く(下)

2023.10.20

 朝日新聞Reライフプロジェクトは「腸活」について読者会議のメンバーにアンケートを行い、そこで出された質問を京都府立医科大学大学院の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)に尋ねました。先に掲載した内藤教授インタビュー「読者の『知りたいこと』聞く」(上)に続く(下)編です。

(Reライフネット編集長・宮崎太介、児林もとみ)

 

内藤裕二・京都府立医科大学大学院教授に読者の「知りたいこと」聞く(上)

「Reライフ腸活アンケート2023」詳細版

【連載】腸から始める長寿生活の過去の記事はこちら

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「腸活」の最新動向などについて話す京都府立医科大学大学院の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)=2023年9月、東京都内で

 ヨーグルトは自分のおなかに合ったものを

 ――朝日新聞のReライフ読者会議のメンバーへのアンケートでは、「腸活」で意識してとっている食べ物について、「ヨーグルト」を挙げる声が「漬物、納豆、味噌」や「野菜」を上回っていました。「市販のヨーグルトの種類が多すぎて、どういう使い分けをしたらいいのか分かりません」というような質問もあります。

  

 総じて日本人はヨーグルトが好きですよね(笑)。下痢をするなどしないよう自分のおなかに合ったものを選ぶことが大事です。継続して摂取することを考えると、できれば糖分が少ないものがいいと思います。

  今では、例えば、血管をしなやかにするとか、認知機能用とか、特徴的な機能性を表示したヨーグルトがあるので、それぞれの個人の皆さんが持っているリスクに応じて選んでもらう。それも選択肢としてあるのではないかと思います。

 

 何となくおなかの調子が良くないとか、便秘・下痢がちとかいったことであれば、ビフィズス菌の入ったものが良いかもしれません。

 ヨーグルトを食べていたらビフィズス菌がとれていると勘違いされている人はいると思います。すべてにビフィズス菌が入っているわけではありません。

  最近はさまざまなサプリメントが出ており、ビフィズス菌に関するものもあります。たとえば、自分の体に合っていると思われるヨーグルトにそうしたサプリメントの粉末を入れて混ぜて食べることもできます。

 ビフィズス菌は、酢酸などの短鎖脂肪酸を作ります。短鎖脂肪酸ができると悪い菌が増えにくい腸内環境になります。

 もっとも、ヨーグルトは作られる過程の様々な発酵によって私たちの体に良い物質ができてくる。だから、ビフィズス菌が入っていないヨーグルトでも、乳酸菌をはじめ十分にいろいろな機能が含まれています。

 どんなヨーグルトであっても「一度とれば良い菌が定着する」というものではないので、とり続けることが大事です。

 ある乳酸菌やビフィズス菌の研究では、2カ月あるいは3カ月摂取を続けていても、やめたら2週間後には摂取した菌がいなくなっていた、ということがあります。「いい」と思ったらずっと食べたり飲んだりするのが一番ですね。

 

腸活に良い「食べ方」は

 

 ――最近聞くようになった「時間栄養学」の観点から、腸活に良い「食べ方」のアドバイスもお願いします。

 「腸活」で朝食の重要性が最近言われています。そして、朝食に炭水化物をとることが大事なのではないかと。

 ただ残念ながら、日本人の中には炭水化物をとると食後の高血糖につながる人が多い。

 できれば食後の血糖値があまり上がらないような炭水化物の摂取が重要なのではないかと思います。例えば全粒穀類などになります。

 食後の血糖の動きには個人差があるので、自分に合う食べ方を見つけられたら良いですね。皆さん全員が同じことをする必要はないです。

 

 サルコペニア(加齢による筋肉量の減少・低下)の予防の上で、「朝食にたんぱく質をとりなさい」というようなことも最近言われています。朝食を見直すのは大切なことだと思います。

 

 ヨーグルトの食べ方については、血糖を上げる成分が入ったものもあるので夜よりは朝の方が良いと言われています。

 

 ――内藤先生は「食事のルール」を持っていますか。

 私の場合、朝早く起きてラジオ体操して、朝食をしっかり食べています。全粒穀類のパンとか、そういうものをベースに、サラダなども。ご飯の時であれば味噌汁、サラダなどですね。

  昼はできるだけ軽くしています。そして、夜遅くにはなるべくお酒を飲まないように意識しています。

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内藤裕二さん

  

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・内藤裕二・京都府立医科大学大学院教授に聞く(上)

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  • 内藤 裕二(ないとう・ゆうじ)

    京都府立医科大学大学院教授(生体免疫栄養学)

    1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部客員教授,09年京都府立医科大学(消化器内科学)准教授などを経て21年から現職。日本酸化ストレス学会理事長、日本消化器免疫学会理事、日本抗加齢医学会理事、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会アドバイザー。専門は消化器病学、消化器内視鏡学、抗加齢学、腸内細菌叢。著書に「消化管(おなか)は泣いています」「人生を変える賢い腸のつくり方」など多数。

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