1966年生まれ。北海道大学法学部卒、同大学大学院法学研究科修士課程修了。ベルギー・カトリック・ルーヴァン大学大学院修士課程、オックスフォード大学博士課程修了。現在、欧州大学院大学特任教授も務める。専門は国際政治、EU、安全保障。著書に『欧州複合危機-苦悶するEU、揺れる世界』(中公新書)のほか、『統合の終焉―EUの実像と論理』(岩波書店)があり、読売・吉野作造賞を受賞。編著に『グローバル・ガバナンスの歴史と思想』(有斐閣)、『主権はいま』(筑摩書房)など。『シリーズ日本の安全保障』(岩波書店)の編者。朝日新聞論壇委員のほか、外務省政策評価委員などを歴任。
ウクライナを煉獄に置き続けた米民主党政権が終わり、今度は予想できないトランプ共和党政権になる。それは、取引Dealを原理にするのだから当然と言えば当然である。その意味で、先入観なく次期政権が何をするのかじっと観察するのは正しい態度だ。
御厨節炸裂(!)という感じで、ここまで劇的に書かれると、なんだか歴史的瞬間に立ち会っているようでワクワクします。けれど、まさに記事にも出てくるように、普通の疲れたおじさんが首相になり、伝道師が行動者になり損ねたままでそうなったというくだり
今年春に初めて訪れた人口250万ほどの国。貧しく小さいが複雑怪奇。体感的には、半数くらいはルーマニアと一緒になってもかまわない、EUに入れるし、位の構えか。4割くらいはロシア語話しているかなあ、あとウクライナ語をしゃべる人もいて、トランス
非常に興味深い記事だ。何を語ったかというより、何を語っていないか、という意味で。 ここで「本気」になるのは、イランのアラブ攻撃可能性を受けての話。その機会を掴んで、イランを全面攻撃するのを支援するか、イランにヒズボラ等への支援をやめさせ
オルガルヒによる寡占支配——盗賊国家化とまではいわないが、メディア支配と買収を通じたファシズムの匂いがする。 マスク氏は、X(旧ツイッター)といったプラットフォームやスターリンクのような基幹インフラを握り、それらを通じて盛んにフェークニ
続報を待っている。仏ル・モンド紙が伝えたところによると、ウクライナのNATO加盟問題で4首脳は割れたらしい。米バイデン大統領の欧州最後のお別れツアーで、彼は加盟招待へ舵を切ったが、反対されたということである。フランスは、どれほど熱心か不明
蔡英文前総統は民間人——忖度は不要、どしどし来日すればよいのではないだろうか。高い人気を保ったまま二期8年を務めおえた元首級です。さまざまな知見をお持ちかと思います。 かつて李登輝元総統が日本に来た際、立ち寄り先によっては、中国の顔色を
ウクライナのブダノフ国防相情報局長によると、11000人の北朝鮮兵がロシアで戦闘準備をしており、全体像は分からないとしつつ、最初の2600人がクルスクに投入されるとの見通しを示した。 この記事を読むと、それらが一気に前線に投入され、ウク
「一つの中国」は存在しない。(中国が押しつける)「原則」としても(米国その他が認知するような)「政策」としても——実のところ、今世紀になってから、日本政府は静かに、徐々にその言葉を口にしなくなった。近年の台湾絡みのG7共同声明を見てみると
今回のイスラエルの異常さの一つは、国連の組織や活動に対する尊重がかけらもないことだ。UNIFILは1978年の国連安保理決議425により結成された最古のPKOのひとつ。その決議により、「イスラエル軍の撤退を確認し、国際の平和と安全を回復し
日本被団協は、核被害のリアリズムを地道に説いてきた。評価されるべきだ。その危険を意識すればこそ、核へのエスカレーションを恐れるという行為が出てくる。しかし、それがウクライナを煉獄に置き続ける。 ロシアが核を使うのを封じ込めるため、バイデ
記事にもあるように、移民が主要争点。インフレはやや落ち着いているが、物価高騰をウクライナ戦争のせいにしている人は一定程度いるだろう。 連立を組んでいた緑の落ち込みは激しい。社民も史上最低の得票率。国民党は踏ん張ったという感じか。大統領も
外交の目指す価値を独立(主権)におくのか、安全保障におくのかで、政策は異なりうる。いま前者をめざし、たとえば、日米地位協定や横田空域の話をアジェンダにするのか、それとも、アメリカと連携しつつ近隣の脅威に対応しようとするのか、この二つには緊
今回の紛争で、イスラエルはUNRWA職員214人を殺害している。今月も6人が空爆でなくなった。その人たちは学校を運営していた。 ここまで国連の権威をコケにするならず者国家があっただろうか。 ガザでの犠牲者は4万人を超えたとみられる。生
物量と人命——これでロシアが押してきていることは明白だ。加えて、露領内クルスク州へのウクライナ軍の進撃が、いまひとつ機能していないことも明らかになりつつある。それは、多少の領土を占めたかもしれないが、ロシアが動ぜず、その軍が東部方面からク
辞めゆく首脳たちが集って、何にコミットできるのだろうか。お別れ会に付き合う外交官もご苦労様である。 日米の緊密化に意味がないとは言わない。クワッドはインドを戦略的に引き付けておくのに必要かもしれない。しかし、辞めると表明した首相が自らの
尾崎久仁子元ICC裁判官の解説はためになりますね。 ここで法律論から少し距離をとり、政治的に観察してみるとどうでしょうか。新しくできたものであれ、組織が一度立ち上がると、その周りに政治的磁場ができ、様々な動きが生じえます。 ICCがで
世界は多様で、動機も色々——日本が選ばれ続けている背景に、平和や安全、親切、自然などのイメージがあるのに加え、円安で学費が安くなったという事情があるのですね。 それともう一つのポイントは、他の国と比べて歩留まりというか、残る率が高いとい
この感覚、よくわかります。いまちょうどローマに短期滞在していて、使いにくいペットボトルのキャップに辟易としています。 この記事が直感しているように、EUの規制権力の伸長とEU懐疑主義の拡大には関連があるのではないでしょうか。 21世
三中全会を契機に鄧小平路線継続のスタンスが際立ち、今回の生誕記念でも強調されました。何か重要な変化があったのか、注目されています。専門家も、結構大きい変化だとするものと、いやいやそうではなく微修正だとするものとで、解釈で割れているのではな