フィリピン副大統領に出頭命令 暗殺計画は「想像の産物」と釈明

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大部俊哉
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 フィリピンの大統領暗殺計画を首謀したとして、同国の捜査当局が26日、サラ・ドゥテルテ副大統領に対し、29日に出頭を命じる召喚状を出した。自分が殺された場合に、マルコス大統領や家族を殺すよう殺し屋に命じたと発言したためだ。訴追される可能性が出てきた。

 朝日新聞が確認した召喚状の内容によると、当局は、重大な脅迫と反テロ法違反の疑いで取り調べる方針。

 発端は、ドゥテルテ氏が23日、自身が指摘されている公金不正使用疑惑に関するオンライン会見で放った言葉だった。

 「ある人に、私が殺されたら大統領と妻らを殺してくれと指示した。これは冗談ではない。最後までやり抜けと命じた」

 これに対し、マルコス氏は25日、ビデオメッセージで、名指しはせずに「このような犯罪を見逃すことはできない」「国を政治の泥沼に引きずり込もうとする試みを許さない」と非難した。

 当局が本格捜査に乗り出す方針を示すと、ドゥテルテ氏は26日、「悪意を持って発言を切り抜かれた。暗殺という言葉を使えば恐ろしいものになるが、計画の実体はなく、茶番で想像の産物とわかるだろう」と声明で釈明した。

 ドゥテルテ氏は2022年の…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題