割烹 市川 丸に始まりそばで締める 醍醐味も味わいながら
日高ちとせ=ライター
割烹 市川(京都)
ほほう、締めにそばとは面白い。「そばは手打ちですか?」。やぼな質問に店主の市川達也さんは、「ハイ! 締めは麺が良いという声も多いので、コロナ禍に覚えたんです。YouTubeで」。笑いを誘うが、知人のそば屋の指南も受けながら極めた二八そばの評判は上々だ。
逆サイドではグツグツ煮え立つ鍋を前に歓声が。店でさばくすっぽんの鍋だ。年中提供するが、やはり脂を蓄える冬はうまみが増すと市川さんが説明する。
昆布だしと酒ですっぽんをコトコト煮込み、脂身も加えた濃厚なスープ。最後は雑炊で…なんて話に聞き入っていたら、「こちらも、作りましょうか」。常連客に乗っかってオーダーできる、これも割烹(かっぽう)の醍醐(だいご)味か。
宵の口から8席のカウンター…