新校舎は海抜マイナス1.9メートル?小学校の統合巡り保護者ら懸念
伊藤智章
愛知県弥富市で計画中の四つの小学校の統合をめぐり、議論が紛糾している。伊勢湾台風(1959年)で300人を超す死者・行方不明者を出した同市だけに、予定地について、浸水や液状化など防災面で市民から懸念の声があがり、議会も再検討を決議した。予定の2028年春開校のためには12月議会で関連議案可決が必要。市は修正案も示したが反発は収まらない。
市の原案では十四山東部、十四山西部(西部小)、大藤、栄南の4校を統合する。いずれも1学年1クラスの小規模校で、市中心部に比較的近い西部小に3階建て校舎を新築するというものだ。財政負担や少子化なども考え、既存の2階建て校舎や体育館も併せて使う。
地域の意見交換会などを経て決めたが、内容が伝わると反発が生じた。
「ここが海抜0mの高さです」
西部小の体育館前にある標識の基準面は、大人の背丈ほどをさす。地表は、4校で最も低い海抜マイナス1・9メートルだ。伊勢湾台風では同市中心部も3・9メートルまで浸水しており、同小付近は住宅の2階まで浸水した。
南海トラフへの危機感も根強く
「避難所にもなるのに、これでは危ない」
声を上げたのは、65年前の…