強盗の実行役次々逮捕も見えぬ指示役 通信アプリでアカウント30超

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板倉大地 遠藤美波 藤田大道
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 首都圏で相次ぐ強盗事件で逮捕された実行役らのスマートフォンを分析したところ、「指示役」などが匿名性の高い通信アプリで30を超えるアカウントから指示を出していた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。警視庁と埼玉、千葉、神奈川3県警の合同捜査本部は実行役ら30人以上に加え、2日には初めて「リクルーター役」を逮捕した。被害品の「回収役」も摘発しており、同本部はスマホの解析を進めるとともに、被害品の流れを追うなどして指示役の特定を急ぐ。

 8月以降、首都圏を中心に相次ぐ強盗事件では実行役らが次々と逮捕されているが、指示役の摘発に至っておらず、11月に入っても被害が止まらない。住民らが縛られたり暴行を受けたりするなどして、18事件で1人が死亡し10人以上がけがをした。

 警察庁によると、4日までに計39人が逮捕されている。複数の事件で逮捕されたり、別の事件への関与を認めたりしている容疑者もいるという。

8割が実行役、準備役にリクルーター役も

 戸建て住宅が狙われるケースが多く、いずれの事件もSNSで実行役などを募集する闇バイトが絡んでいるのが特徴だ。実行役らはお互い面識がなく、指示役から秘匿性の高いアプリで犯行の指示を受け、住宅の窓ガラスを割って侵入するなどしていた。

 逮捕された39人のうち20代が最多の26人で、30代8人、10代4人、40代1人と続く。約8割は「実行役」で、住宅に押し入ったり、別の容疑者を車で送ったり、見張ったりしていたという。

 一方で、東京・練馬の強盗致傷事件では使われたバールを手配したとされる「準備役」、さいたま市の事件では奪ったクレジットカードを使ったとされる「買い物役」、横浜市の強盗殺人事件などでは被害品を受け取ったとされる「回収役」が逮捕されている。埼玉・所沢の事件では、SNSで実行役を募集して犯行現場まで派遣したとして、一連の事件で初めて「リクルーター役」の男が2日に逮捕された。この男は実行役を上位者に紹介していたという。

 合同捜査本部はこうした実行役以外の容疑者からやりとりなどをたどり、「指示役」らの摘発につなげたい考えだ。

 18事件以外にも9~10月、栃木県益子町で住居侵入未遂事件、札幌市で強盗致傷事件、山口県光市で強盗予備事件などが相次いでおり、合同捜査本部は関連を調べている。(板倉大地)

 警察庁や合同捜査本部による…

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