第3回公立小で不登校 「変わった子」でなく「面白い子」と見る学校へ

有料記事「神経多様性」の学び

狩野浩平
[PR]

 他の子たちのにぎやかな声が響く中、スタッフルームでパソコンに夢中な男の子がいた。「しっかり組み立てないと途中で崩れちゃうんだよ」。ソウくん(8)は傍らのスタッフに早口で話しかけながら、仮想空間でブロック遊びができる「マインクラフト」に取り組んでいた。

 地元の公立小学校に通っていたが、2年生だった昨年の夏前から不登校になり、今はニューロダイバーシティ・スクール・イン・東京(NSIT、東京都港区)に通っている。

 物事にのめり込んだ時の集中力は高いが、集団で同じことをしたり、次の活動に移ったりするのが苦手。「授業中、ずっと座って、わかっていることを聞くのも、わからないことを聞くのもいやなんだよね」。そう打ち明けられた母親(43)は、「本当にこの子は今の学校システムには合わないんだな」と感じた。

 通い始めた地元のフリースクールでは中学3年の男子生徒と仲良くなり、運動やスポーツをするのがとても楽しかった。だが男子生徒が高校進学でいなくなると、フリースクールにも退屈するようになった。

「俺は勉強は苦手だし嫌いだ」 でも本当は…

 本人は「俺は勉強は苦手だし…

この記事は有料記事です。残り905文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
狩野浩平
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
いじめ、不登校、子どもの権利、ニューロダイバーシティー、幼児教育、性暴力
  • commentatorHeader
    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2024年10月31日5時0分 投稿
    【視点】

    NSITは画期的な取り組みをしている。という私の意識そのものが、いま現在の学校の在り方がそうはなっていないことを物語っている。旧態依然の校則や慣習的な行事、全員がじっと座って授業を受ける一斉全体教育など、その限界が露呈しているにもかかわらず

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2024年10月31日20時37分 投稿
    【視点】

    狩野記者の記事に、いつも惹きつけられてしまう。その子を「変わった子」にするのか「面白い子」にするのかは社会しだい。本当にそう思う。 耳からの情報を認識するのが得意な子、目からの情報を認識するのが得意な子、それを文字・言語として認識していたり

    …続きを読む