悔しさを乗り越えつかんだ初の切符 金沢学院大付高、全国への決意(My吹部Seasons)
吹奏楽コンクールのシーズンは大詰めを迎え、高校の部の各支部代表が決まりつつある。中でも、真っ先に代表が決まったのが北陸だ。
今年は8月12日に北陸大会が行われ、石川県の金沢学院大付高校の吹奏楽部が初めて代表の座をつかみ取った。
顧問を務めているのは、かつて石川県立金沢桜丘高校や石川県立小松明峰高校を率いて全日本吹奏楽コンクールに通算4回出場した教諭の斉藤忠直。顧問に就任した2017年の部員はたった4人だったが、今年は部員数133人と北陸トップクラスの規模に成長。大阪府や栃木県など県外からも部員が集まってきている。
そんな金沢学院大付で今年、部長となったのが3年生でフルート・ピッコロを担当する宮本奈々夢(ななみ)だ。168センチの長身で、明るい性格と笑顔で大所帯の部活を引っ張ってきた。
「中学時代は北陸大会で金賞止まりだったので、全国大会出場と人間的な成長を目標にして金沢学院に入りました」
奈々夢は昨年、初めて「S組」と呼ばれる55人のコンクールメンバーに選ばれ、北陸大会に出場。《バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より》(ラヴェル)でピッコロのソロを吹いた。結果は金賞だったが、代表には選ばれなかった。
「来年は3年生。どうやったらこの悔しい結果を乗り越えられるんやろう、と考えていました」
24年の全国大会への挑戦は、その瞬間から始まったのだった。
【連載】My吹部Seasons
吹奏楽作家のオザワ部長が各地の吹奏楽部を訪ねます。
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