JAXAにサイバー攻撃 ロケットなど機微情報の流出「可能性ない」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)に対してサイバー攻撃があったことを、JAXAなどが明らかにした。組織内のネットワークを管理するサーバーで不正アクセスを確認したといい、JAXAは情報流出の有無など詳細を確認中。「ロケットや人工衛星などの重要な情報は、攻撃を受けたネットワークでは扱っていない」と説明している。
文部科学省やJAXAなどによると、不正アクセスがあったのは、職員のIDやパスワードなどの情報を管理する「アクティブ・ディレクトリ」と呼ばれる中枢サーバーという。
今年夏ごろに攻撃があり、秋ごろに警察当局が把握。情報提供を受けたJAXAが不正アクセスを確認し、文科省に報告したという。
ロケットや人工衛星の運用に関わる情報を扱うネットワークとは切り離されているため、機微情報が流出した可能性はないとみられるという。
このサーバーをめぐり、6月に脆弱(ぜいじゃく)性があることが公表されており、この脆弱性を突かれたとみられる。
JAXAは2016~17年にも、サイバー攻撃を受けている。この時はJAXAのほかに三菱電機やIHIなど防衛や航空関連の約200の研究機関や企業がサイバー攻撃を受けた。警視庁は中国人民解放軍が関与したハッカー集団による攻撃とみていた。
今回の攻撃元は分かっていない。
- 【解説】
不正アクセスを受けた「アクティブ・ディレクトリ(Active Directory=AD)」は、サイバー攻撃を仕掛けるハッカーたちによって、常に真っ先に狙われるシステムです。ランサムウェア(身代金ウイルス)を仕掛けるサイバー犯罪集団が作ったマ
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