美智子さまの「孤独」 皇室内の批判 初代宮内庁長官が日記に

有料記事

編集委員・北野隆一
【動画】89歳の誕生日を迎えた上皇后美智子さま=宮内庁提供

 上皇后美智子さまが20日で89歳を迎える。24歳だった1959年に当時皇太子だった上皇さまと結婚した前後の様子が、初代宮内庁長官を務めた田島道治(みちじ)氏(1885~1968)の残した日記や書簡に記されていた。初の民間出身の皇太子妃に対する皇室内での批判は根強く、孤独のなかで苦悩する美智子さまの様子がつづられている。

 田島氏は48~53年に宮内庁長官(就任時は宮内府長官)を務め、昭和天皇と交わした会話を「拝謁(はいえつ)記」と題したノートに詳細に記していた。日記などの文書類は遺族が保管しており、「昭和天皇拝謁記」(岩波書店)の題で2021年から書籍化された。昭和天皇が戦争の時代を振り返った率直な発言を宮内庁トップが詳細に書き留めた内容は、貴重な史料となっている。

 特に今年5月に最終巻として発刊された第7巻に収録された日記からは、皇太子妃選考の舞台裏などがわかる。

「テニスコートの恋」から8カ月後に

 日記などによると、昭和天皇…

この記事は有料記事です。残り2169文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
北野隆一
編集委員
専門・関心分野
北朝鮮拉致問題、人権・差別、ハンセン病、水俣病、皇室、現代史
上皇さま90歳 ご一家の写真で振り返る

上皇さま90歳 ご一家の写真で振り返る

2023年12月に90歳の卒寿を迎えた上皇さま。在位中、国民と同じ目線であり続ける「平成流」を大切にしました。年始の集合写真をもとに、ご一家の歩みと平成、令和を振り返ります。[もっと見る]