「VIVANT」で注目の情報活動、主舞台は人からサイバー・宇宙へ

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牧野愛博
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 TBS系日曜劇場で放送されたテレビドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」が高い視聴率を記録した。堺雅人さん演じる乃木らが所属する自衛隊の秘密部隊として注目された「別班」は、複数の関係者がその存在を認めている。こうした組織が関わるとされる情報戦は、どう変化しているのか。

「別班」とは

 関係者の証言を総合すると、別班は陸上自衛隊員25人程度で構成する組織だ。ロシアや中国、北朝鮮などを対象に、現地に住む人や訪問者に頼んで情報をもらうコントローラー(ハンドラー)と呼ばれる仕事をしている。ドラマでは海外で派手な銃撃戦を繰り広げる特殊作戦部隊との位置付けだったが、実際は海外に行くわけではない。

 軍事に役立つ情報を集めるのが別班員の主な仕事とされる。過去に最も多く手がけた仕事が「地誌作り」だ。対象国の空港の滑走路の長さ、港湾の水深、橋や道路の幅・強度などを調べた。長さがわからない場合は、航空機などと一緒に撮影し、三角関数を使って長さを割り出したという。

 関係者の一人は別班の仕事を「公安調査庁の仕事をぐっと小さくしたようなもの」と表現する。

 1954年7月に自衛隊が発…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島