高3の冬、監督を説得した渡辺雄太 引退宣言と重なる覚悟の決め方
ジャージーの置き忘れから、事件は起きた。
2012年12月23日、バスケットボールのウインターカップ(当時・全国高校選抜優勝大会)で尽誠学園(香川)は1回戦を突破した。
ベンチを引き揚げるとき、3年生は1年生に忠告した。
「ちゃんと確認して、これ持って行けよ」
5、6人分のジャージーが試合中に脱がれたままになっていた。
だが1年生は他の作業に追われていたのか、不注意だったのか、そのまま会場を離れてしまった。
色摩拓也監督にはコート外の振る舞いを口を酸っぱくして注意されてきた。
2日後に発覚し、チームは宿舎で大目玉を食らう。
「結局、何も変わってないな」
監督が去り、その場に部員だけが残った。
重たい空気の中、副将の1人が立ち上がった。
渡辺雄太=サンズ=だった…
1990s - 2023 JAPAN BASKETBALL
1990年代のバスケブームから現在へ。これは、日本バスケのパイオニアたちが積み上げてきた物語。[もっと見る]