工場休止や閉鎖…重厚長大は「転換期」 和歌山・紀陽銀の次の期待は

吉田貴司
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 高炉の休止や製油所の閉鎖が続く和歌山県和歌山市に本店がある紀陽銀行の原口裕之頭取は11日、大阪市内であった中間決算の会見で「重厚長大型の企業の転換期を迎えている」と県内経済の現状を語った。

 和歌山県内では、鉄鋼最大手の日本製鉄が昨年秋に和歌山製鉄所(和歌山市、現・関西製鉄所和歌山地区)の高炉1基の稼働を休止。石油元売り最大手のENEOSホールディングスも、和歌山製油所(有田市)を2023年10月をめどに閉鎖すると発表している。

 こうした状況を挙げて、原口頭取は重工業の転換期であることを指摘し、「支援する上で、そのまま重厚長大は難しい」と語った。

 かわりに地域経済を支えるものとして期待するのが「観光」だ。

 原口頭取は、和歌山県の今後について、観光が「可能性が一番出ている」といい、「銀行全体として観光や県産品の紹介に力を入れたい」と話す。

 特に、期待を寄せるのは、仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」だ。県も後押しする施策に、「たくさんの方が東京から白浜に来て、働くということができあがりつつある」と話した。

 紀陽銀の22年9月中間決算は、純利益が前年同期比3.8%増の93億円だった。貸出金が増えて利息が増えたことや、株式の売却益などから利益が増えた。

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