NTTドコモが新プラン「ahamo(アハモ)」を3日に発表し、業界に激震が走った。低価格はライバルの携帯大手を大きく揺さぶる。20代を主なターゲットにした「ネット専業」は、ドコモショップの販売網までも破壊しかねない。
9割カバーの破壊力
アハモの料金は、データ容量月20ギガバイト(GB)で税抜き2980円。MM総研の調査によると、月20GB以上使うヘビーユーザーは1割程度。つまり、アハモだけで利用者の9割をカバーできるほど守備範囲が広い。「いま月々2980円以上払っている利用者のほとんどは、アハモに乗り換えて間違いない」(ITライター)というほどの破壊力だ。
2980円といえば、「価格破壊」をうたって参入した楽天と同水準だ。楽天はデータ利用が無制限で、表向きは「優位性はある」と強気の態度を崩していない。だが、同社関係者は「明らかに『楽天潰し』。横綱が新規参入の新人をいじめるのはひどい」と嘆く。楽天はいま急ピッチで基地局建設を進めている段階。アハモが始まる来年3月時点での人口カバー率は7割の予定で、通信エリアの広さや品質ではドコモに一日の長がある。別のライバル大手も対抗策を検討せざるを得ない状況だ。ある首脳は、「焦ってはいないが、少し考えないといけない」と話す。
さらに低価格を売りにしてきた格安スマホに影響が出るのは明らかだ。格安スマホ草分けの日本通信は4日、「ドコモ対抗」と堂々と銘打ち、データ容量16GBで、税抜き月1980円の新プランを発表した。こうした動きは続くとみられるが、業界では「資本力で劣る企業はひとたまりもない」とささやかれる。
代理店が悲鳴「お先真っ暗」
だが、衝撃を受けているのは…