小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
&BRAND VOICE
連載をフォローする
SPONSORED

小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」

SPONSORED
江ノ電江ノ島駅前の「江のピコ」(10月26日撮影)

11月12~24日、東京・六本木ヒルズで「大!小さなやさしさ展(日本コカ・コーラ「紅茶花伝」主催)」が開催されます。展示では、朝日新聞の記事で紹介された全国の小さなやさしさにまつわるエピソードを一堂に集めました。その中から、一部記事の「その後」やこぼれ話を取材しました。

2023年1月14日 朝日新聞朝刊掲載(要約)

「寒そう…」江のピコの始まり 江ノ島駅前 オブジェに衣装

おしゃれな手編みの衣装を毎月着替える、江ノ電江ノ島駅前の小鳥のオブジェがある。元々は広島のメーカーがつくる車止め「ピコリーノ」に付く飾りで、子どもがのぼって転落する事故を防ぐためにつけられたもの。通称「江のピコ」と呼ばれるオブジェの小鳥たちを、かわいらしく変身させたのは地域の女性たちだった。

駅前の売店に勤める石川カツコさん(故人)が手編みの衣装を着せたのが始まり。評判となり雑誌やテレビでも取り上げられた。体調を崩した石川さんが後を託したのが、旧知の小池三四子さん。衣装づくりを引き継ぎ、石川さんが他界した後も続けた。しかし小池さんも80歳を超えて作業が難しくなる。

そこで石川さん、小池さんの娘と同級生で近所に住む岩田和美さんが中心となり、自治体など関係者と調整して江のピコの新衣装を募るコンクールを開催。コンクールには多くの応募が届いた。江のピコは今、応募作品の衣装をまとい、江の島を訪れる人たちを楽しませている。

家族連れやインバウンド客が記念撮影

暑さもやわらいだ10月の土曜日、江ノ電江ノ島駅(神奈川県藤沢市)周辺は観光客でにぎわっていた。駅前に設けられた2つの車止めに並ぶ小鳥のオブジェ「江のピコ」は計8羽。赤、紫、黄、白と色とりどりの衣装に身を包んだ江のピコを、家族連れやインバウンドの海外観光客らがうれしそうに写真に収めていく。そんな風景をみて、髙宮由香里さんはつぶやいた。

「もう25年も経つんですね、あっという間です」

小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」
かわいらしい「江のピコ」をたくさんの人が写真に収めていた(10月26日撮影)

髙宮さんの母、石川カツコさんが江のピコの“生みの親”だ。かつて駅前の売店に勤めていた石川さんの、お客さんに接する視線のすぐ先に小鳥たちがいた。1999年のことだ。

寒そうな小鳥たちに手編みの衣装を着せてあげたら、評判が広がった。髙宮さんによると、石川さんがつくった衣装は2000着を超える。基本は毛糸で編んだケープと帽子。季節によってクリスマスカラーにするなど遊び心にあふれていた。雨の時期には、ビニールで手作りした“レインコート”を着せることもあったという。

2014年ごろに石川さんが体調を崩し、衣装作りは石川さんの友人の小池三四子さんに引き継がれた。二人は娘同士が同級生で、家族ぐるみで付き合う仲。小池さんは季節感あふれる衣装を編み、毎月初めになると8羽を着せ替えた。石川さんが入院してからも、編み方などについて電話でよく相談をしていたのだと、小池さんは懐かしそうに振り返る。

「編み方を教えてほしいと熱心にたずねてくる人もいました」と小池さん。そうして江のピコのほかにも、かわいい衣装に身を包んだ小鳥たちが各地に増えていった。

小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」
石川カツコさんが江のピコの衣装を着せていた当時の様子

2025年秋までの衣装は準備済み

その後、後継者を探していた小池さんのために奔走したのが、岩田和美さんだ。髙宮さん、また小池さんの娘とも同級生で、小池さんには子どもを孫のようにかわいがってもらったという間柄。岩田さんが関係者に掛け合い、江のピコの新衣装を募るコンクールが2022年に開催された。

コンクールには全国から131件の応募が寄せられた。受賞作をはじめとした作品が、毎月入れ替わりで江のピコに着せられている。2025年秋までの衣装のラインナップはコンクールの応募作品で埋まっているという。

毎月の着せ替えは小池さんから有志のボランティアにバトンタッチした。原則毎月1日の早朝、5人いるボランティアが交代で担当している。

風で飛ばされたりしないよう、小鳥の体に糸で衣装をくくりつける。冬の時期などは冷たい海風も吹くため指がかじかんでしまう。2024年の元日は、初詣客でにぎわう駅前で、ボランティア4人が集まって新年の衣装に“おめかし”した。

小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」
髙宮さんのアルバムには、過去の江のピコを収めた写真がたくさん

月初めの着せ替えを毎回見に来るファンも

ボランティアの鈴木仁美さんによると、毎月決まった時期に江のピコに会いにくるファンも少なくないという。着替えをする月初めに必ず訪れ、写真を撮っていく男性も。「江のピコを見て気持ちが癒やされるという方が多いですね。そう言っていただけると私たちもうれしい」(鈴木さん)。

SNSなどによって、江のピコの認知はさらに広がりを見せている。海外からのインバウンド観光客がネット上で紹介し、それを見た人がまたやってくる、という流れも増えつつある。「これだけ注目されて、天国の母もびっくりしてるんじゃないでしょうか」と髙宮さん。

衣装づくりや着せ替えのサポートを手厚くするため、岩田さんらが中心となり、ボランティアの活動などを紹介するワークショップの準備も進めている。岩田さんはこう話す。「江のピコが観光スポットとして有名になったのもうれしいけれど、こうして他の地域の方々や、世代を超えたつながりができることが何よりうれしい。江のピコちゃんのつなぐ縁かな、と思います」

ふとした小さなやさしさから生まれたたくさんの縁。かわいい衣装に身を包んだ小鳥たちが、これからもその縁を多くの人に運んでくれるだろう。

小鳥がつなぐやさしさの輪、これからも広げたい 江ノ電・江ノ島駅前の「江のピコ」/紅茶花伝「大!小さなやさしさ展」
江ノ電江ノ島駅前で江のピコとともに。左から髙宮由香里さん、鈴木仁美さん、小池三四子さん、岩田和美さん

「大!小さなやさしさ展」
・開催期間:2024年11月12日(火)~24日(日)
・オープン時間:11:00~19:00 ※11月12日(火)のみ15:00開場となります
・開催場所:六本木ヒルズ ヒルサイド2階「六本木ヒルズカフェ」
                 (東京都港区六本木6丁目10-1)
・記事提供:株式会社朝日新聞社
・参加方法:予約不要/参加無料
「紅茶花伝」公式サイト https://www.coca-cola.com/jp/ja/brands/kochakaden

写真:山田秀隆

REACTION

LIKE
BOOKMARK

リアクションしてマイルをもらう

連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら