飛鳥Ⅱの旅で味わう秋の味覚と名月 鳥羽・高松クルーズ
飛鳥スタイル 秋の味覚の競演を堪能
日本船らしい秋模様を演出した晩餐(ばんさん)は飛鳥Ⅱのお楽しみ。
初日の西洋料理は、戻りカツオとジンジャーソース。手長エビのマリネ。岩手県の銘柄鶏・菜彩鶏(さいさいどり)のクリームスープ柚子胡椒(ゆずこしょう)風味。
サンマのコンフィ、どんこシイタケとすだち水菜のサラダ、黒毛和牛のゴマみそロースト、洋ナシのタルトなど、海から山から秋の味覚が大集合でした。
特にサンマのコンフィは骨まで食べられる洋風の調理法で、旬の魚のうまみをおしゃれにかつ食べやすく引き出していました。
一方、3日目の和食は、柑橘(かんきつ)に苦味を加えた食前酒・紅葉、菊菜とマツタケのお浸し、マツタケ茶碗包み蒸し、マグロのお造り、あわび柔らか酒蒸し、銀鱈(ぎんだら)西京焼き、マツタケご飯とさつま汁など。香り高いマツタケ、上品なだし、鍋仕立てのアワビ酒蒸しは噛(か)めば噛むほど滋味があふれるおいしさ。記録的な猛暑を乗り越え、やっと日本にも秋の季節が到来したことを食を通して感じました。
八神純子コンサートで青春時代にタイムスリップ
飛鳥Ⅱでは、プロダクションショー、バンドショーなど、ほぼ毎晩ショーが上演されます。このクルーズのハイライトとなったのが、シンガーソングライター・八神純子さんのコンサートでした。
1978年「思い出は美しすぎて」でデビュー以来、「みずいろの雨」「ポーラースター」などのヒット曲を生み出し、2022年にはアメリカの「Women SongWriters Hall of Fame(女性ソングライターの殿堂)」に日本人として初めて殿堂入りをした実力者です。
1970年代後半から80年代にかけ、よく聴いていた「パープルタウン」「Mr.ブルー ~私の地球~」などがギャラクシーラウンジに流れると、いっぺんに気分は青春時代に舞い戻り、懐かしい気分。八神純子さんならではの伸びやかで美しい歌声に酔いしれました。
天体をテーマにした歌も多いコンサートが終わり、屋外デッキから空を見上げれば、中秋の名月が漆黒の海に金色の月の道を描き出していました。
第15代船長と赤い情熱のカクテル
今年3月、第15代飛鳥クルーズの船長として渡辺恒介船長が就任しました。1999年から2004年まで初代・飛鳥の2等航海士、次席1等航海士を経て、2015年から2017年まで飛鳥Ⅱの副船長を務めた経歴の持ち主です。
飛鳥Ⅱ新船長としての抱負は「重責を担ったと身の引きしまる思いです。安全、保安はもとより、お客様に楽しんでもらえるクルーズにするには何をしたら良いのか、考え、挑戦していきたいです」と語ってくれました。
さらに飛鳥クルーズでは歴代船長のオリジナルカクテルがあるのですが、その誕生秘話を聞くと「バーのスタッフから、好きな酒は? と聞かれ日本酒と答えました。しかし、そこから先はお任せしています」とのこと。
実際にバーで作ってもらった15代渡辺恒介船長のカクテルは、飛鳥クルーズオリジナルラベルの日本酒「櫻(さくら)正宗」をベースに、クランベリージュースやライムジュースなど加え、シェークした赤くてきれいなカクテル。透明感とパッションを感じるカクテルは渡辺新船長のイメージにピッタリでした。