飛鳥Ⅱの旅で味わう秋の味覚と名月 鳥羽・高松クルーズ
爽やかな秋の日、日本船籍最大の客船・飛鳥Ⅱで繰り出す鳥羽と高松への旅。船から見上げる名月。実りの秋を伝える味覚の数々。
鳥羽ではイルカと遊び、高松ではミシュランの星付き庭園で優雅な和船体験。さあ、クルーズならではの秋色紀行に出かけましょう。
■連載「上田寿美子 クルーズへの招待状」は、クルーズ旅の魅力や楽しみ方をクルーズライターの筆者がご紹介します。
9月16日、飛鳥Ⅱは三重県の鳥羽を目指し横浜港を出航しました。ちょうど9月17日が中秋の名月、18日が満月を迎えることもあり、アスカプラザには、ウサギ、月見団子、すすきなどの飾り付け。ラウンジやバーの生バンド演奏も「枯れ葉」「秋桜」など秋にちなんだ曲を組み入れ、秋の夜長を彩りました。
乗船初日、瀧総料理長と内藤和食料理長に今後の夕食計画を聞くと「洋食と和食それぞれに秋の食材をふんだんに盛り込み季節感を楽しんでいただきます」と話しつつ、このクルーズのために仕入れたかご一杯のマツタケを見せてくれ、食に対する期待も高まりました。
鳥羽湾で島めぐり イルカとのふれあい
翌朝、飛鳥Ⅱは鳥羽湾に錨泊(びょうはく)。多数の島が浮かぶ鳥羽湾の景色はまるで海の箱庭のような美しさです。
そこで、今回はフラワーマーメイドという遊覧船に乗り、人気の島を巡る小さな船旅を体験してみました。この計画の便利なところは、飛鳥Ⅱから通船にのって上陸する鳥羽マリンターミナルから、フラワーマーメイドに乗船できること。さらにパールクルーズ(鳥羽湾めぐりとイルカ島・ミキモト真珠島共通券)というチケットを買えば、二つの島に立ち寄り、再びこのターミナルに戻ってこられる点です。
ハマユウを描いた華やかなフラワーマーメイドは1階、2階の屋内デッキが喫茶コーナーなどを備えたラウンジ風スペースで、3階はカモメや人魚のオブジェが楽しい屋外デッキ。船を追うように飛んでくるカモメや、鳥羽湾に飛び石のように並ぶ三ツ島などを眺めているうちにイルカ島に到着しました。
イルカ島は、名前の通りイルカのいる島で、島内には、イルカ池、展望リフト、アシカの森、カワウソ小屋、フリッパープールなどが点在する楽園のような島です。うれしいことは、この島への入場は無料で、イルカやアシカが飼育員と遊ぶ姿まで見物できること。たとえばアシカのバトン回し、輪くぐり、色を判別するバスケットボール。イルカのキャッチボール、輪回し、ジャンプなど、かなり高度な動きを見ることができました。
もっと深くイルカとかかわりたい人向けには、有料の飼育員体験もありました。「体表チェック」(約20分800円、各回小学生以上15名)は長靴を履いて、イルカの体に触れ健康チェックをする体験。つるつるしたイルカの感触と、イルカの息遣いが伝わってきました。
また「おやつの時間」(約10分、バケツ1杯600円、各回バケツ12杯)は、実際に小魚をイルカに食べさせるエサやりで、魚を見せるとぱっくり口を開けるイルカの可愛さがたまりません。これまでカリブ海クルーズなどでイルカとのふれあい体験をしましたが、ここでは、手ごろな料金で、水着に着替える必要もなく、夢のようなイルカとの対面が実現しました。