しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
京都ゆるり休日さんぽ
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しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」

「かかんの本格四川風麻婆豆腐定食」(1200円・税込み)+300円でごはんを魯肉飯(ルーローハン)に変更できる

個性豊かな個人店が続々とオープンし、にわかに注目のエリアとなっている左京区・北白川界隈。その流れの中心的存在が、今年1月にオープンした麻婆豆腐の店「かかん京都店」です。鎌倉にある本店は行列必至の人気店とあって、関西初出店となる京都店も瞬く間に評判に。白川疏水沿いの桜並木や大文字山を眺める開放的な空間は、観光客にとっても地元客にとっても憩いの場になっています。

京都から毎月、季節の便りを出すように。連載京都ゆるり休日さんぽ」では、いま訪ねたい今昔の人気店、季節の味覚や風景を、さんぽのみやげ話とともにお届けします。

地元の豆腐と秘伝の醬が自慢の麻婆豆腐

熱々の鉄鍋で運ばれてきたのは、「かかん」名物、麻婆豆腐。初めて来店する人のほとんどがオーダーするという、押しも押されもせぬ看板メニューです。もともとは、オーナーが「かかん」の前に営んでいた飲食店で、常連客への裏メニューとして提供していたものだとか。鎌倉に麻婆豆腐の店としてオープンするとあっという間に人気が広がり、都内にも拠点を増やしつつ、京都にも待望の「あの麻婆豆腐」がやってきました。

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
白川疏水沿いの窓から桜並木が見える、開放的な空間

「味のキモとなる合わせ醬(ジャン)は各店共通ですが、かかん内でも限られた人しかレシピを知らされない、秘伝の味です。豆腐は、京都店ではすぐそこの『清水豆腐店』から作りたてを仕入れています。京都でオーナーと物件を探していたとき、広々として心地よく、目の前に豆腐屋さんがあるなんて、これ以上ない条件だと思ったんです」

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
階段の壁には虎と龍、京都の街が描かれたアートが。小野さんの友人のペインターが描いてくれた作品
しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
タイル張りのカウンター。水や箸立て、自分で振りかけるスパイス類がセットされているのもアジアの食堂のよう

そう話すのは、京都店の店長・小野峻平さん。話に出た清水豆腐店は、店の窓から見えるほど、目と鼻の先です。同じ建物の1階には喫茶店「珈琲み空」が、少し歩くと焼菓子店や雑貨店、古書店などもあり、店同士の交流が地域に心地よい活気を生んでいる様子。哲学の道も近く、地元の人にも観光客にも絶好の散歩コースになっています。

食堂のように気軽に立ち寄れて居心地よし

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
単品でオーダーする人も多い「イベリコ豚と海老の大葉が香る水餃子」(4個480円〜)

麻婆豆腐以外にも、よだれ鶏、魯肉飯(ルーローハン)、水餃子など、老若男女に愛される中華メニュー、喫茶は終日利用でき、アジアのスイーツもそろいます。タイル張りが印象的なカウンターから小上がりや大テーブルもあり、一人でのランチにも、複数人での会食にも使いやすい空間です。各テーブルに置かれた風味違いの山椒や唐辛子は、それぞれが好みの辛さやしびれ加減に調整できるようにするため。大人も子どもも、辛さや刺激が好きな人も苦手な人もおいしく食べられる、食堂のようなおおらかさが魅力です。

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
テーブルには、香りやしびれの強さが異なる花山椒が2種、和の粉山椒、唐辛子がスタンバイ。好みでふりかけて

「厨房の奥から、トントンとまな板を叩く音やジャッと鍋を振る音が聞こえる、昭和の食堂のような店がいいなと思っていて。かかんという店名は、食堂の音をイメージした擬音語なんです」(小野さん)

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
写真中央が店主の小野さん。スタッフも個性豊かでにぎやか
しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
「かかん」の味を自宅で楽しめるタレやキットも充実。レタリングに遊び心あり

カウンターの向こうからおいしそうな音が聞こえ、ぐつぐつと煮立つ鉄鍋に歓声があがる。「かかん」で奏でられるのは、そんなにぎやかで心地よい時間です。名物の麻婆豆腐を一度食べたら、すぐにでも「また食べたい」「今度はどれを食べよう」と次の来店を想像してしまう。北白川になくてはならない、みんなの街の食堂です。

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」
大きな回転扉と龍のイラストが目印

【取材協力】かかん京都店

フォトギャラリー(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)

BOOK

しびれる辛さをお好みで。麻婆豆腐が名物のアジア食堂「かかん京都店」

もっと、京都のいいとこ。

大橋知沙さんの著書「もっと、京都のいいとこ。」(朝日新聞出版)が2024年1月に出版されました。「京都のいいとこ。」の続編。ひとり旅でも、満たされる、自然体の京都の楽しみかたを提案。定番からひみつの場所まで、選りすぐりの約100軒をご案内します。&Travel「京都ゆるり休日さんぽ」の中から厳選、加筆修正、新たに取材しました。「京都のいいとこ。」に引き続き、この本が京都への旅の一助になれば幸いです。1430円(税込み)。

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