アメリカを代表するワイナリーで、とっておきのひと時
ニューヨーク在住8年目の、久保純子さん。家族や友人との時間、街で見かけたモノ・コト、感じたことなど、日々の暮らしを通して久保さんが見つめた「いまのニューヨーク」をつづります。
みなさん、アメリカのワイナリーと聞いて思い浮かべるのは、やはりカリフォルニアのナパバレー? ずばりアメリカの85%のワインがカリフォルニアで生産されているそうで、中でも、ナパバレーは、風光明媚(めいび)な景色と世界に名を馳(は)せるワインで知られ、人気のワイナリーが集まっている。昨年は、世界から370万人が訪れた人気の観光地だ。でも、調べてみると、驚いたことに、ワインはアメリカの50州全てで生産されているとのこと。ニューヨーク州も負けてはいない。その生産量は、全米3位で、東側を代表するワイン生産地として名高い。
東を代表するニューヨーク州のワイナリー
この夏、そのアメリカを代表するカリフォルニア州とニューヨーク州、両方のワイナリーを訪れる機会に恵まれた。
まずは、東を代表するニューヨーク州のワイナリーから見ていきたい。ニューヨーク州は、北海道と九州を合わせたほどの面積で、北から南まで、六つの地域でワインが生産されている。450ほどあると言われるワイナリーでは、主にリースリング、メルロー、カベルネフランといった葡萄(ぶどう)でワインが作られている。
美しい景色が広がる「ロゼ好きの天国」
この度訪れたのはロングアイランドにある、こぢんまりとしたワイナリー「Croteaux Vineyards(クロトー・ヴィンヤーズ)」だ。息をのむほど美しい景色が広がっていて、広々としたお庭で楽しめるロゼのテイスティングが人気だ。ある旅行雑誌によると、「ロゼが好きなら、ここはあなたの天国かもしれませんよ」と称するほどで、ロゼに適した品種のみを育て、9月から10月にかけて、葡萄の甘さがピークを迎えるや否やすぐに収穫することによって、フルーティーで、爽やかな味わいのロゼ作りを実現しているそうだ。そのこだわりは、ロングアイランドの地場に関係している。海に近い土壌や天候にあった葡萄を栽培しながら、ビーチでサラッと味わえるようなワインを目指したところ、ロゼに行き着いたとのことだ。
見渡す限り色とりどりの季節の花々が咲き誇り、座り心地の良い椅子に一度腰を下ろしたら、もう最後。立ち上がれない、立ち上がりたくなくなる。何度でも訪れたくなる魅力いっぱいのワイナリーだ。
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久保ちゃん、実はニューヨーク州のワインが有名って知りませんでした。緯度からしても高い位置にあるから寒いのでは?という先入観ですね。実はインドの一番大きなワイナリーに行ったことがあるのですがこんな暑いところで?って思ったのを思い出しました。日本で世界中のワインを飲み比べするわけではなくその産地で飲むワインは実は一番おいしいですよね。今度一度調べてみますね。アメリカ、ニューヨークの街中の普通の紹介ではなく、ちょっと離れたところの紹介はとてもうれしいです。来月も楽しみにしています。